こんにちは。
さっき胃にチクリチクリとした痛みが3度ほど走りました。
最近多いんだよなあ。
検査行ってこうかな。。でも若干パニック障害的なところがあるから怖いなあ。。
さて、先ほどモルガンのナノキャリア株売却のことについて書いたら、そのナノからまさかの土曜日にIRがあったようで。
>>>モルガンがナノキャリア株を大量を売却!今後の株価への影響は?
内容は BIND Therapeutics 社への買収オークションに参加するぞ!というもの。
これは面白いですねえ。
BIND社ってなんだ!
BIND Therapeutics 社はナスダック上場のナノ粒子を用いたDDS技術を持つバイオベンチャー。
基盤技術は「ACCURINS®」というポリマー・ナノ粒子技術です。
もちろんど素人のワタクシはこの技術の中身についてはよくわかりませんが、ナノキャリアのミセル化ナノ粒子技術と同タイプのものだとのこと。
DDS分野ではナノと並んで先頭を走っている(た?)企業ということは言えると思います。
提携先には名だたるビッグファーマがずらり。
ファイザーやアストラゼネカ。そして日本のペプチドリームとも。
ところがこのBINDですが、主要パイプラインであるIND-014で良好な結果が出ずに一気に経営が傾きました。
出典:Bankruptcy filing worries developers of nanoparticle cancer drugs
ナノのNK105と同様に安全性は良好でしたが、やはり有効性の面で既存薬に対して十分な優越性を示せなかったようです。
BIND社はBIND-014への経営資源の投下を縮小し、事業再編を行うと発表。
その矢先に債権者からの返済要求があり、一気に資金繰りに窮した同社は破産申請をしたという流れのよう。
うーむバイオベンチャーは本当に一寸先は闇ですね。
提携先のファイザーが買収を発表!
その後、BINDの買収に名乗りを上げたのがファイザーです。
資産の大部分をBINDから購入することを合意し、BINDは破産裁判所に売却許可の申請を行ったと。
BIND-014の失敗以後もファイザー的にはBINDのDDS技術そのものには可能性があると考え、内部化しようとしたのでしょう。
わずか20億程度での買収金額ですしね。
さてさてところが今日になってナノキャリアがこのBINDの買収オークションに参加すると発表したのです。
2016 年 7 月1日、米国 Pfizer 社(NYSE: PFE)との間で大部分の資産売却について合意し、米国破産裁判所に対して資産売却の許可を申請しました。これに伴い、破産裁判所の入札手続に基づき、2016 年 7 月 25 日(現地時間)にオークションが実施されます。
これが知識不足のワタクシにはよくわかりません。
ファイザーと合意したのにオークションするの??
まあ合意したけど、その合意金額が適正かを判断するためにオークションを行うって感じなんでしょうか。
調べてみましたら今回のスキームは363条セールというケースのようですね。
要約するとこんな感じ。
債務者(BIND)は非公開でストーキング・ホースといういわゆる仮の買い手候補(ファイザー)と買い取り額などについて交渉し、契約を締結する。
その後、オークションを行いストーキング・ホースとの合意内容を上回る条件の入札がなければそのままストーキング・ホースと本契約。
上回る条件を出したところがあれば、そこがストーキング・ホースに諸々の解約料を支払って、買い手候補から降りてもらう。
こんなスキームですね。まあナノキャリアの発表通りです。
なおこれによると、BINDは売却金額を引き上げることができるメリットがあり、ファイザーにとっても売却に関する事項を精査することができ、デュージェリデンス(買収先の価値がどれくらいあるか測定する作業のこと)を他の入札者よりも多くの時間を割いて行えるので、有利に落札できる可能性が高いみたい。。
うーむ。
素直にとればファイザーが有意な状況にあるように見えますが(スキーム的にもそうだし、そもそも資本力が違うし……)、そうなると大きな疑問が出てくるわけです。
なんでこのタイミングでナノは発表してきたのか!?
土曜日のこのタイミングで明後日オークションに参加しますという発表。これはめずらしい。
明後日オークションに負けたら買えませんでしたIRをするんでしょうか。。。
なんとなく考えにくい気がしますね。
だってナノにとってはまるでメリットがありません。
オークションでもし買収成功したら発表すれば良いだけの話だったのを、あえて今してきた。
しかも通常はストーキング・ホースであるファイザーが有利なオークションにも関わらず。
穿った見方をするならば、もう結果はほぼほぼ決まっちゃってる。
つまりBINDとファイザーとナノキャリアの3社でなんらかの調整が図られていると考えてしまうのですが、どうなることでしょうか……。
もちろん、妄想ですよ!
たださらに妄想をして、仮にナノの落札が決定事項なら、なぜファイザーはおりることにしたのか?というところも非常に興味がありますね。
20億。ファイザーにしたって直接買っちゃうのはリスクがある金額です。黒字化も先の話ですし。
ナノに買わせてDDS技術で相乗効果を出させる。そんでナノとファイザーが提携することでファイザーとしては極力リスクを抑えながらDDS分野への参入に力を入れたい!そんなところなんでしょうか。
いずれにしても明後日の結果が大注目されます。
今後のナノキャリアへの影響は?
仮にナノキャリアが買収できたらの話ですが、ナノ粒子技術においては完全に世界的に抜け出しちゃうってことになりますね。
この技術が本物なら大化けするでしょう。
ただナノにしてもBINDにしてもこれまでのところ臨床で思うような結果が出ていないのが気がかりです。
同分野の企業の買収なので、通常の企業買収ならリスクを抑えて相乗効果を発揮させるっていうセオリーが通用するかと思うんですが、いかんせんバイオベンチャー。
バイオの場合は特定の技術への依存度が高まれば高まるほど、企業リスクも大きくなるという面があると思っています。
今回にしてもナノ粒子っていう技術が単純に徐放性に優れているだけで、薬物の有効性を高めるものではなかったとしたら、かえって固定費を増やすだけだったって結果になりかねません。
でもでも今回は裏にファイザーが隠れていそうですからね。
このファイザーが表に出てきて提携が実現すればとても面白いことになりそう。
NK105は失敗しましたが、個人的には効果は高いけど副作用が強すぎる薬にナノ粒子技術を用いたときにどうなるかを注目しています。
【関連記事】日本化薬がNK105のフェイズ3失敗を発表!ナノキャリアの基盤技術に疑問符?
そうシスプラチンです!
有効性を向上させることはできなくても、副作用を抑えられてこれまで敬遠されてきた抗がん剤が安心して使えるなら、もっと言えば増量することで有効性を高められるなら、それはそれで大いに発展可能性はありそうです。
まとめ
それにしても最近のナノは色んな動きがありますね。
今後の株価がどうなるか全く予想がつきません。
DDSの技術自体は面白いし、技術が本物であればがん治療を大きく進展させるものだと思いますので、頑張ってほしいと思います。
バイオの中でも相当リスクは大きそうですが……。
それでは明後日を楽しみに!
普通にファイザーさんが落札しましたIRが出たりして……。
【追記】はい、普通に出ました……。
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