いつもお世話になっております!
ブライトパスさんを半分売ったために再びワタクシの保有銘柄の中でメインとなった3Dマトリックスさん。
今更ながら粘膜隆起材の物質改良に目途が立ったってのは地味に良い材料だと思っています。
粘膜隆起材の治験再開へ! 物質改良に目途が立ったぞ
そして日本で初めてのマトちゃんの上市品になるのではないかと思われていた粘膜隆起材。
詳しくはこちらをご覧ください↓↓↓
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さて、この粘膜隆起材。
2014年の年末に治験が開始されました。
それがわずか2か月後の2015年の2月に治験中断。
思ったよりも効果が見られなかったとのこと。
もちろん、この結果自体は残念だったんですが、一方でマトちゃんの素早い対応は評価できました。
止血材みたいに莫大なお金を掛けて治験をやって、3年たって申請を取り下げるみたいなのが一番ムダだからね。
フルスイングでぶっ放したワタクシの青春時代みたいなもんだ。
後悔しても後の祭りです。
で、会社としては製材や治験方法の見直しによって、再治験を目指すっていってたんですが、正直なところ厳しいと思っていました。
事実、中断発表から2年半近くたっても続報はなんにもなかった。
株主の記憶からも消えかけていた。
と、ところが。
ここにきてまさかの「ようやく物質改良のメドがついた」と岡田社長。
サラッと言った一言でしたが、思わず前のめりになってしまったぞ。
詳しい再治験のスケジュールなどはまだ決まっていませんが、とりあえずこれから動物実験に入っていく予定になっています。
なのでおそらく再治験までには「動物実験」⇒「結果検証」⇒「再度の治験計画の策定」⇒「治験病院の探索」と、早くてもあと2年くらいかかるでしょう。
一度治験をやっていますので、病院との折衝はスムーズにいくと思う。
もしかしたらもっと早く治験再開できるかもしれませんね。過度な期待はできませんが。
収益化するにはまだ先の話。
今回発表された中計にも反映されていませんが、完全にぽしゃったパイプラインだと思っていたのでうれしい情報でした。
で、この粘膜隆起材。
市場規模こそ大きくはないですが、期待通りの効果が出れば案外スムーズに医療現場に浸透していくんじゃないか、と思ったりするんですよ。
粘膜隆起材は止血材との販売シナジーが強い!
粘膜隆起材についておさらいします。
これは胃とかの消化器系の粘膜にできた癌を切除する際に、患部の下に粘膜隆起材を注入して、患部を持ち上げることで粘膜と筋層を乖離させて、チョキンと切りやすくするっていう医療材料です。
下記を見れば一目瞭然。
【出典:3Dマトリックス個人投資家向け説明会資料(2012)】
こんな感じです。
分かりやすい。
なんとなくマトちゃんが作ったイラストも可愛いぞ。
粘膜隆起材はESD(内視鏡的粘膜下層はく離術)とEMR(内視鏡的粘膜切除術)と言われる手術で使います。
EMRはスネアといわれる針金を丸めたような機具で病巣を切り取るもの。
スネアの直径は2cmとか3cmとかなので、それ以上の広い範囲に病巣が広がっている場合は、ESDといわれる術式が採用されます。
粘膜下層を高周波ナイフでバーッと剥離していく方法です。
これなら広範囲に広がっている病変でも一括切除が可能となります。
さて、マトちゃんは今夏日本において、最重要パイプラインである止血材「purastat」のESDにおける漏出性出血に対する止血効果等の有効性評価や安全性評価を行う予定です。
欧州でも内視鏡分野ではpurastatの利用が進んでおり、一部病院や医師からは高い評価も得ていますし、効果を実証するデータの収集も進んでいますので、個人的には成功の可能性は高いと考えています(内視鏡ならね)。
そして国内における止血材と粘膜隆起材。
どちらも販売権を許諾しているのは扶桑薬品工業です。
「販売先(ESDを行うお医者さん)も同じだし、販売者(扶桑薬品)も同じ」なので、相乗効果で浸透させていけるんじゃないかなぁって期待してるんですが……。
製品競争力がありそう!
粘膜隆起材で既に承認販売されているのがムコアップ。
女性が大好きヒアルロン酸を主原料とした製品です。
フィスコレポートによると年間20億~30億程度売れている製品とのこと。
あとは粘膜隆起材の代わりとして、生理食塩水を使うケースがあります。
効果はムコアップのほうがありますが、生理食塩水は圧倒的に低コストなので(その分、メスを当てるとペチャっと潰れちゃうんで上手い医者じゃないと切りにくい)こっちも割とメジャーに使用されています。
仮に生理食塩水が使われているケースが全てムコアップやマトちゃんの粘膜隆起材に置き換わったとすれば80億くらいの市場規模になるってんだから、市場規模的にもそうそうバカにできたもんじゃありません。
で、結局のところ80億の内、いくら取れるかはマトちゃんのTDM-641がどれくらいの競争力を持っているかに掛かっている。
ひとまずウサギさんを使った実験によりますと、↑な感じ。
マトちゃんのペプチドの濃度が0.5~1%だとムコアップに勝っています。
この濃度をどうするかってのも大事な点ですね。
濃度が高いと内視鏡で使いずらかったりコストも上がるんで。
ヒトの実験だとウサギさんのようにうまくいかなくて、この辺の調整も含めて色々と改良作業を進めていたんだと思われます。
粘膜隆起材のメインの目的はさっき書いたように患部をチョッキンしやすくするってものですが、マトちゃんのTDM-641は副次的な効果として止血効果や後出血予防効果、創傷治癒促進効果などなども期待できます。
傷が治ったはいいけど、その後に瘢痕化(かさぶた)しちゃうって事態を防ぐことも。
こうした効果も鑑みればムコアップよりも競争力はあるんじゃないかと思うし、「単なる粘膜隆起だけならムコアップたけーし、生理食塩水でいいや」っていうお医者さんからのTDM-641への置き換えもある程度進んでくれると期待してるんですが。
まとめ
・粘膜隆起材が復活! 再治験へ急げ!
ダメだと思っていたパイプラインだけに、再開発の兆しが出てきたのは嬉しい……。
ヨーロッパにおける止血材販売の流れを見ていくと、一から販路開拓をしていくことの困難さが嫌というほど分かりました。
主要製品である内視鏡分野を対象領域とした止血材purastatと、販売シナジーが見込まれる粘膜隆起材。
もちろんどちらも競合品との優位性を確立できることが前提ですが、上市されれば相乗効果で費用対効果の高い販促が可能になると思います。
いまだマトちゃんの中計最終年の数字は信じていません。
止血材販売だけで黒字化できるとは今の時点では考えにくいので、その他のパイプラインで補完していって、全社的に黒字化を達成してほしいと期待しているんですが……。
yukiyukiさん、こんばんは。
3DMの粘膜隆起材のことが、よーくわかりました。
同じ内視鏡分野で、止血材とのシナジーが期待できるとは、うれしい限りです。
イメージ図を付けてくださったので、粘膜隆起材の機能が理解できました。
これなら治験も簡単なように思えるんですが、素人考えなんでしょうね。
私は、3DMの株価が少し下がってきたので、500株を買い増しして、「2000株の個人大株主」になりました。
もうこれ以上買う勇気はありませんが、気長にホールドしようと思います。