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3DM(7777)の自己組織化ペプチドによる新規癒着防止材がスゴイ!

いつもお世話になっております!

最近はスーパー黒字化中計を発表しても、誰も見向きもしていない3Dマトリックス。

 

狼少年みたいな存在になってんじゃん。

そんな中でも、ぼくが期待している癒着防止材についてまとめておきます。

 

目次

3Dマトリックスの画期的な癒着防止材!

外科手術を実施した際に、切った組織や臓器は自然と治癒していくわけですが、本来は離れている器官がお互いにくっついたまま再生をしていくことがあります。

これが「術後癒着」です。

多少の癒着なら問題のないケースも多いんですが、重度の場合は再手術をしてくっついた組織をペリペリって剥離するしかありません。

もう考えただけで痛そうじゃん。

立派な大人なぼくも泣いちゃうよ。

 

せっかく手術したのにまた手術。

医療費もかさむし、もちろん患者さんにも大きな負担が掛かるし、最悪です。

 

そんな事態を解決するべく、3Dマトリックスさんが開発し、アメリカで上市寸前まで行っている癒着防止材が「TDM-651」

「スリーディーマトリックス、惨い(むごい)」と覚えてください。

 

こちらはすでにヨーロッパで販売されている止血材「purastat」を応用展開した製品となります。

「purastat」の画像 出典:3Dマトリックス2018年決算説明会資料

purastatは既に止血材として販売されていますし、安全性については心配いりません。

あとは有効性の面で、他の製品と比べてどれくらい競争力があるかってところが大事になるよね。

臨床での結果があれば一番、ってことでこの論文。

出典:A novel haemostatic agent based on self-assembling peptides in the setting of nasal endoscopic surgery, a case series

 

お鼻の内部を左右に仕切っている壁「鼻中隔」が曲がっている患者さんに対して、鼻中隔の骨や軟骨の一部を摘出することで曲がりを矯正する「鼻中隔形成術」を施した事例です。

60症例に対してpurastatをぬりぬりしたところ、癒着はゼロかつ術後4週間の間に再出血もゼロだったと。

ちなみに3Dマトリックスさんの決算説明資料によると、同じ手術で「糊」による止血をした場合、通常は半数程度は癒着が見られるそうな。

 

また、他にも癒着防止剤はありますが、「フィルムタイプ」が多く、取り扱いが難しいという問題もあります。

不器用なお医者さんだと、

[voice icon=”https://yukiyuki13.net/wp-content/uploads/2017/06/face6.gif” name=”(不器用さん)” type=”l fb”]「あ、ヤベー。狙いとちょっとズレちゃった!」[/voice]

とかね。

 

その点、3Dマトリックスさんの癒着防止材はゲルなので、むにゅーってやるだけで均一に塗布できますし、デバイスによってはスプレーで広範囲に貼付することもできます。

止血効果もあるし、癒着も防止できるし、再出血も予防できる。

さらには取り扱いも簡単っていう優れもの。

 

良いじゃんか、これ。

 

癒着防止材の競合製品!

ちなみに日本ではテルモさんが初めてのスプレータイプの癒着防止材を2017年に上市しています。

なおこの製品。

 

2018年の「高分子学会賞」というのを受賞。

どの程度権威のある賞なのか分かりませんが、いずれにしても世界的にフィルムタイプの癒着防止材がスタンダードな中で、容易に噴射できるところなどが評価されています。

 

下記はアドスプレーの臨床成績になります。

直腸がん患者で、直腸がん切除術+ループ式回腸人工肛門造設術を施行された患者124例(内、55症例がアドスプレー使用群、43例を無処置群)を対象としたものです。

無処置群は90%癒着が発生しているところ、アドスプレーは52%に癒着を抑えられていますね。

P値は偶然発生する確率のことで、今回は0.001未満。

アドスプレーが無処置群に比べて有意に癒着を抑えていることが分かります。

 

適用例が違いますのでpurastatとの比較はできませんが、3Dマトリックスさんの癒着防止材だったらどんな結果になるのか気になるところです。

 

ちなみにアドスプレーの原料はデキストリンとトレハロース、炭酸ナトリウムなど。

 

はーい。知ってるよ。ぼくでも知ってるよ。

デキストリンってあれでしょ?

とうもろこしの澱粉でしょ。

 

んで、トレハロースってガムとかに入ってる甘いやつでしょ。人工甘味料でしょ。

炭酸ナトリウムは重曹のアルカリ性が強い版みたいなやつでしょ。

 

どれもありふれた素材。

コスト面では優位性がありそうですが、有効性の面ではどうなんでしょうか。

 

アドスプレーを使用しても52%は癒着が発生していますので、まだ改良の余地はありそう。

これまでのpurastatの臨床現場での後出血予防効果とか癒着防止効果を見る限りでは、自己組織化ペプチドゲルが原料である癒着防止材は高い競争力があるのでは、と期待してるんですが。

 

まずはお鼻で成功させてから、適用範囲を拡大していってほしいところです。

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癒着防止材は早ければ2019年の春にもアメリカ承認!

3Dマトリックスさんの癒着防止材は、現在上市前の動物実験を実施中(もう終わっていてデータを取りまとめているところか?)

出典:平成30年4月期第2四半期決算説明会資料

耳鼻咽喉科領域を対象に、ヒトでの臨床試験がいらない510(K)での申請を計画しています。

 

ヒトでの臨床データも揃っている耳鼻咽喉科領域に絞って、まずは承認を取るという戦略を採用した模様。

資金も余裕がないし、妥当性があると思います。

動物実験の結果だけで申請が可能なので、時間もかかりません。

 

動物実験の内容ですが、ウサギさんのお鼻に傷を付けて、一方はpurastat、一方はMeroGelという既存製品を塗布します。

その後比較して、「どちらが癒着を軽減できてんのかガチンコ対決」になります。

 

MeroGelは、お年頃の女の子が保湿液とかで使っているヒアルロン酸を主原料とした、創傷治癒や癒着防止のために使用される製品。

こちらもありふれた素材です。

さすがに勝てると思うんだけどなあ……。

 

勝てないときっついすね。

個人的には、3Dマトリックスさんの蜘蛛の糸だと思っているこの製品。

 

欧州での売上の状況からいっても、今のままでは止血材で大きな売上を立てるのはかなり厳しいと思っています。

たいした販売網も持っていないマトちゃんが競合ひしめく止血材市場を開拓していくのは、それこそ大手の販売パートナーと契約できないとキツイ。

 

当面は癒着防止材(会社はアメリカのお鼻の癒着防止材市場は100億と試算。その後200億と修正)や、現在ヨーロッパで承認申請中の後出血予防材という、市場規模は大きくないけど競合品が少ないニッチなところで勝負するしかないんじゃないでしょうか。

 

つまり何が言いたいのかというと、なんとしてでも勝ってもらわないと……。

 

510kの場合、「先行機器と少なくとも同程度に安全かつ有効であることが証明」できれば承認されます。

ただ繰り返しになりますが、コスト面ではさすがにヒアルロン酸とか澱粉とかには勝てないと思うので、癒着防止効果はもちろんのこと、止血・治癒促進・後出血予防なども含めて、圧倒的な優位差を出してほしいところ。

蓄膿症の手術をしてお鼻が超苦しい経験をしたことがあるぼくにとって、マトちゃんの癒着防止材は患者のQOLを改善すると信じてるよ。

まとめ

・競合相手は澱粉とかヒアルロン酸だよ。

・これで勝てないとヽ(・ω・)/ズコーだよ。

・うまくいけば今期中にも承認が取れる。

世界最大市場であるアメリカさんでの初めての上市品誕生となれば、ぼくはうれしいよ。

さて、どうなりますか。

【追記】3Dマトリックスの癒着防止材がFDAから承認を受けました!!

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この記事を書いた人

コメント

コメント一覧 (2件)

  • yukiyukiさん、私も「マトちゃんの癒着防止材」に大いに期待しています。
    今後の3DMにとって、欧州の後出血予防材と日本の止血材にならぶ、三本柱ですもんね。
    この三本がすべて成功して、やっと将来展望が見えてくるぐらい、3DMは切羽詰まっていますよね-
    特に癒着防止材については、米国での上市品になるのでカッコいいし、代理店さんが頑張ってくれたらまあまあ売上があると期待しています。

    ところで、イラストの小ブタさんは、いつ見てもカワイイですね~♡

    • もぐらさん、いつもありがとうございます!
      いやーほんと切羽詰まってます。
      三本柱の中でも、一時金が入る日本の止血材が最も重要かつ難易度が高いと思っているので、後出血と癒着防止はサクッと通ってほしいんですが……。
      おっしゃる通り、癒着防止材は競合品も少ないため、止血材ほどの惨憺たる結果にはならないのでは、と期待しています!

      豚へのお言葉、ありがとうございます!! 
      豚に代わって御礼申し上げます!w

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