いつもお世話になっております!
最近、日本経済の先行きをかなり不安視しております。
国債の発行残高の内、日銀の保有割合がついに4割を超えたという発表が2月にされました。
もう金融緩和も限界が見えてきちゃいました。
極端な低金利で生き残っている中小・小規模企業が、テーパリング(量的金融緩和の縮小)によって雪崩のように倒産しちゃうんじゃないかとか、かなり不安。
ほぼゼロの低金利が当たり前、お金を借りられて当たり前。
「売上も利益も全然上がってこないけど、なんとかお金はグルグル回っているし、大丈夫だろ」
こんな状態に何年も慣れきっている小規模企業は、マジで今のうちに対策をしとかないとマズいぞ。
日銀の金融緩和がいつまでも続くことは不可能だし、トランプさんも弾劾が落ち着いたら利上げ圧力を強めてくるだろうし、こんな低金利時代は確実に終わりが来る!
とりあえず「テーパリング」って言葉がテレビや新聞で聞かれ出したら、「ヤバい」と思っておきます。
本当に消費税の8%への増税が残念だったよなぁ……。
あれ以降、全然、景況感は上がっていない感じ。
カンフル剤を打ちまくっての日銀いわく「景気は緩やかに回復を続けている」状態だそうだけど、3年も緩やかに回復を続けていれば、相当景気が良くなっていないとヤバくないか。
全然実感ない。
ワタクシが住んでいるところが田舎なだけで、東京は景気良いんですかね?
確かに人手不足は進んでいるし、有効求人倍率は上がりまくっているけど、そりゃ現役世代が少なくなってるんだから人手は足りなくなるよなぁって話で……。
もちろん、「来年にも大恐慌になる!」なんて極端な話は全然信じてないんだけど、「コト」が来てからじゃ遅いんで、企業は今のうちの財務体質の強化や生産性向上に努めて、余力ができた経営資源で新規事業にチャレンジしていってほしいと思います。
「余力」ってところがポイント。
いきなり大投資をして、全然ノウハウも持っていない領域に攻め込んでも、そんなにうまいこと成功しないから。
なんて話を偉そうにしましたが、ワタクシは自分の心の声を完全に無視してリスクオンしちゃった。
先日、膠芽腫のがんワクチンの治験に失敗(?)をしたグリーンペプタイドさん改め、ブライトパス・バイオさんをガッツリ買っちまったぞ。
ブライトパスバイオの概要については下記の記事を。
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膠芽腫の治験は失敗したが……
先日のブログでも書きましたが、膠芽腫の治験は「成功」とは言えないものでした。
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主要評価項目である全生存期間において、お薬と偽薬との間に有意差が見られなかったからです。
久留米大は前向き発言オンパレードでしたが、薬の承認に直結するかという観点から見れば、「失敗は失敗」。
素人ながら色々と情報を当たってみましたが、このデータで承認を取れるかというと、かなり難しいと思います。
翌日は情報が錯綜したせいで、一時はピョコンと上がった株価も、その後はダラダラと下げ、現在の時価総額も200億を切りました。
ただですね、この二日間考えた結果、やっぱりブライトパスバイオさんの「がんワクチン」そのものはとっても魅力的なんですよ。
ブライトパスバイオが主導して進めている前立腺がんの最後の治験。
来年度に結果が明らかになる治験。
ワタクシは成功するほうにかけました。
……今んところはね。
まだ時間はあるので、結果発表前に期待で上がったらどうするか分かりませんが、とりあえずこの水準なら「買い!」の判断をした次第です。
これでワタクシの持ち株は3Dマトリックスとグリーンペプタイドが突出してあって、+ちょこちょこってな感じとなっております。
ワタクシが買う決め手となったのは!
今回の久留米大の治験結果を受けて株価は下がりましたが、ペプチドの価値自体が下がったとは思えませんでした(3Dと違って……)。
もう一度今回の治験結果を見直してみますと、
・90例の再発膠芽腫の方々が本登録され、そのうち88名に対しペプチド薬(58名)又は偽薬(30名)が投与
⇒有意差なし。失敗。
・3つの予後不良因子(薬が効きにくい因子)を有する患者を除いた集団(52名)では、ペプチド(35名)、偽薬(17名)
⇒有意差あり。成功?
治験に関わった寺崎先生のHPによると、
全生存期間(11.2ヶ月 vs 5.3ヶ月)および1年生存率(43.9% vs 12.6%)
圧倒的な差です。
ここで一つ疑問が。
上記の3つの予後不良因子を有する患者を除いた解析というのは、事前に設定されていた評価項目なのか、それとも言葉は悪いですが「後付け」の解析なのか、という点。
これはネット上でも「事前に設定されていたグループだ!」って意見があるようでしたが、同じく寺﨑先生のHPによると……。
予後不良として上がっていた因子の中には実際に投与されていたペプチドワクチンが一つ入っていましたが、このワクチンがどうして働かなかったのか、を解析結果も合わせて報告してきました。
出典:寺﨑脳神経外科HP
つまり、3つの因子の中の一つは=ペプチドワクチンであるということ。
こんなものは事前に予後不良因子であると特定できるわけがありませんので、というか特定できてたらそんなもん投与すんなよって話ですので、治験終了後に「予後不良因子」を3つ抜き出して、グループ解析を行ったことは確実です。
この一文を見たときに、「あぁかなり厳しい結果だなぁ」と思ったわけですが、再度読んでみると。
予後不良として上がっていた因子の中には実際に投与されていたペプチドワクチンが一つ入っていました
実は↑の意味がイマイチよく分かってなかったんですが。
すいません……そしたらASCOの妙録に思いっきり書いてありましたね。
SART2を投与した患者はかえって生存期間が短くなったということです。
グリーンのがんワクチンは12種のペプチドを患者の状態に合わせて4種抜き出して投与します。
その12種の中に「SART2」というペプチドがあるんです。
そして、ペプチドの組み合わせの中に「SART2」が入っていて、投与された患者は生存期間が短くなった。
このため、88人全員の平均を取ると全生存期間の有意差は出なかったけど、「予後不良因子(SART2を含む)」を除くと有意差が出たという結論です。
やっぱり評価が難しい。。。むしろ、すごい違和感
繰り返しになりますが、グリーンのがんワクチンは12種のペプチドから4種の組み合わせ選んで、患者に投与します。
で、がんワクチンを投与した患者さんと、偽薬を投与した患者さんのグループで、生存期間に差は出なかった。
ここでワタクシだったらどうするか。
あくまでもワタクシだったらですよ。
無理やり差をつけるために、投与後に早く亡くなった患者さん達をまず抜き出します。
その患者さんに投与していたペプチドを調べ、共通したペプチド(今回の場合はSART2)があればそれを「予後不良因子」にして、統計から排除。
残りのグループで再度解析。
生存期間に差が出たぞー!!!
ってこともできるわけです。
普通に考えて「いや、あかんやろ。そんなもん有意差が出たって言えるかい。都合の悪いデータを無視すんなや」ですよね。
ただ、先ほどに戻って、寺﨑先生の言葉。
SART2がどうして働かなかったのか、を解析結果も合わせて報告してきましたっていうことなので、原因は判明しているんじゃないかと。
それならば、今後のペプチドの組み合わせ及びワクチン開発にとって、非常に意義のある臨床結果になったんじゃないかなぁと考えたわけです。
もちろん、前立腺がんの治験についてはもう患者の組み入れも終わって現在は観察期間ですので、今回の結果を治験デザインに反映させるわけにはいきませんが、中間解析では良い結果が出ていますし。
今回の結果を過度に悲観する必要はないと考えます。
あとあと久留米大学では膠芽腫以外のがん、子宮頸がんとか膀胱がんの治験もやっており、これがまた良い結果が出てるんですよ。
当然、これらのがんについても、前立腺がんへのワクチンが承認されれば、適応拡大に向けて次のフェイズの治験が進められる可能性は十分あるでしょう。
グリーンペプタイド、もといブライトパスバイオ主導で進めているパイプラインも魅力的ですし、来年に向けて大きく化けそうな予感がプンプンしてるんですが……。
*【追記】ブライトパスバイオ信者の男にインタビューをしたぞ!
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まとめ
・テーパリングって騒がれ出したら危ないぞ!(多分……)
・膠芽腫の結果はまだまだ不透明なことが多すぎ! 詳細を発表してほしい。
・でも今んところはかなり期待している。
・だからガッツリと買った。
そんなところです。
思ったよりも買っちゃったなぁ……。
まぁ前立腺がんの治験結果が出るのは来年なんで、目先の株価にはとらわれずにしばらく放置。
新しい情報が出てきたら逃げることもできるし、得意のお漬物大作戦です。
【追記】ブライトパスバイオを一旦手放しました。
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【追記】ブライトパスバイオが悪魔の錬金術に手を出したぞ!
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【追記】ブライトパスバイオはITK-1の治験で主要評価項目を満たさなかったと発表しました……。
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大変、興味深く 読みました。そして、掲示板投稿も少ない絶望的なブライトパスholder として、
いろいろ詳しい情報を提供していただき、有難いです。
(56歳、主婦)