いつもお世話になっております!
個人的にはバイオ株の中でも最もリスクが高い銘柄の一つだと思っていたアンジェスさん。
正直なところあんまり良い印象を持っていなかったアンジェスさん。
そんなアンジェスさんが長年開発してきたHGF遺伝子治療薬のコラテジェンがついに国内承認申請です。
これ自体は会社の計画通りですが、日経新聞がデカデカと出してきました。
注目度も信憑性も一気に高まり、株価も急騰するでしょう。
会社の見解は違うでしょうが、ワタクシ的にはアンジェスの唯一無二のパイプラインがコラテジェン(ベペルミノゲン)だと思っていました。
これまで目の覚めるような大赤字(2016年は48億赤字)を垂れ流してきただけに、この進捗は会社の行く末を左右するどころか、存続にも影響を与えると。
ついにベペルミノゲンの承認申請です。
悲願達成とはいえども……
このベペルミノゲン。
実は一度国内で承認申請をされています。
それは2008年。
ただ国からは
症例数が少なすぎまんなぁ
ということで、承認は降りず。
アンジェスも2010年に一旦取り下げて、国内の開発については中断をしていました。
流れが変わったのが、遺伝子治療を含めた再生医療品の「早期承認制度」の創設。
これによって、HGF治療薬も条件・期限付きで承認・販売ができる可能性が出てきたのです。
そこで、アンジェスはこれまでの治験データに、大阪大学が主導して行っている追加の6例のデータを加えて、承認申請を行おうとしています。
「早期承認制度」は、患者のニーズに素早く応えられるとともに、革新的な医療品開発を促す画期的な制度です。
ワタクシ個人的にも素晴らしい制度だとは思っています。
ただ、6例って大丈夫か!?
これで出てきた有効性や安全性のデータがどこまで信憑性があるといえるのか……。。
承認後はフェイズ3並のデータを蓄積することが求められています。
そこで「やっぱり有効性ありませんでしたわ」なんてことにだけはならないんでほしいんですが……。
医薬品はただでさえ、政府の政策や薬価改定など「外圧」を受けやすい業界。
「早期承認制度」で販売された製品が、その後の市販後調査で効果がなかったとか、大きな副作用が出たとか、そのような例がポコポコ出てくると、結局また制度の見直しが叫ばれるのは想像に難くない。
いくら「早期承認」とは言いながらも、国にはバランスを取ってほしいかなと。
販売は来年から?
そもそも6例で承認申請をするとして、本当に承認をされるのでしょうか?
ここがまず大きな疑問。
なお、今回の治験は大阪大学が主導する医師主導治験であり、先進医療B制度を活用した治験です。
「先進医療」とは、患者負担の増大を防止しながらも、国民の選択肢を広げ、利便性を向上するという観点から、保険の混合診療を認めるもの。
さらに先進医療はA制度とB制度に分けられます。
・未承認等の医薬品若しくは医療機器の使用又は医薬品若しくは医療機器の適応外使用を伴わない医療技術であって、当該医療技術の安全性、 有効性等に鑑み、その実施に係り、実施環境、技術の効果等について特に重点的な観察・評価を要するものと判断されるもの。
です。
ややこしいですが、認定を受ければ、特別に保険診療との混合診療を認めますよ、というもの。
なんのせ、アンジェスのHGF遺伝子治療薬は「先進医療技術審査部会」で、B制度の認定を受けました。
ただ、B制度認定を決めた会議の議事録においても、
6例と少ない症例数で非盲検単群試験の意義は、既に技術審査部会での議論の通り、高いものではない。
出典:HGF遺伝子による血管新生遺伝子治療に係る先進医療技術審査部会
結構、厳しいことも言われてるわけで。
さらに、
また、PMDAとアンジェス社との間の審査時の議論は開示されておらず、今回の評価において本臨床試験の実施を許容できると判断することは、将来の薬事承認申請時のPMDAの評価・判断を縛るものにはなり得ないことを申し添える。
出典:HGF遺伝子による血管新生遺伝子治療に係る先進医療技術審査部会
とも明記されています。
この審査部会ではあくまでもB制度としては認定するって決めただけのもの。
さらにここで決まった6例っていうのはPMDA側から承認の条件として出されたわけでもなく、さらにPMDAの評価にも影響を与えないとのこと。
というわけで、ここで良好な結果が出て承認申請を行ったとしても、承認されるとは全然限らないって話です。
また、市販後の定められた期間内に、アンジェスには厳しい追加の臨床試験が求められます。
一旦、承認を受けたとしても、その後の臨床試験の結果、取り消しなんて話も十分にあり得るわけで。
資金面でもかなり大きな負担がかかってきますので、再度の増資も考えられます。
会社が見込んでいるほど売上が立つかというと、それも大いに疑問が残りますし……。
まとめ
・アンジェスがベペルミノゲンの申請の目途がついたのは間違いなく良いニュース!
・ただ、まだまだリスクも高い!
少なくとも現在のところ着実に前に進んでいるアンジェスさん。
ただ、一歩ずつ前に進んでいたところで、何かの拍子に百歩下がってしまうのが、バイオの怖いところ。
国内初の遺伝子治療薬として是非とも成功してほしいと思っていますが、まだまだリスクは高い銘柄だと考えています。
特に期待先行の現状では、ワタクシも含めて素人はなかなか手を出すべきじゃないんではないかと……。
下手すりゃ大やけどしそうです。
それでは今日も最後までお読みいただきありがとうございました_(._.)_
こんばんは。
うーん、なんかアンジェスって信用できないんですよ。DNAワクチンとか魅力があるんですが、増資を繰り返したことや、感覚的に怪しさが匂うことから、友人の間では、悪女銘柄なんて言ってましたよ。しかし、悪女には魅力があるもので、以前、400株買った15分後に、はっと目を覚まし怖くなって800円位の利益で売ったことがあります。