こんにちは。
どうもワタクシです。
最近、不調。何が不調って睡眠が不調。本当に眠れない。眠ってもすぐに目が覚める。
そうすると精神自体の調子がくるってくるんですよね……。
なんとかしたいと思って、とりあえず枕とサプリを買ってみました。
効き目があればいいんだけど。
さて、というわけで今日もど素人のワタクシが勝手に注目している株を取り上げるのだ!
今日はある意味では医師の主観的な評価でしか判断できなかったうつ病を、血液によって検査しちゃおうって画期的なことをやってる会社、HMT(ヒューマン・メタボローム・テクノロジーズ)さんだ!
血液検査で診断しちゃうんですよ!
50人以上の会社にはストレスチェックも義務化されましたが、50人なんて言わずに全企業に適応してほしい。
そしてそのチェック項目には、HMTさんの検査を組み込んでほしい。
そんな願望が決して夢物語ではなくなってきましたよ!
HMTってどんな会社?
まずは会社紹介から。
HMTは山形県鶴岡市に本社を構え、メタボロミクス事業を行っているベンチャー企業です。
メタボロミクスとは、人の体が作りだす3000種類の代謝物質などを網羅的に解析すること。
HMTは慶應大学が開発したCE-MSメタボローム測定法を基盤技術としています。
難しすぎて訳わかめですが、まあなんのせ例えば病気なんかにかかっちゃうと、代謝物質の種類や濃度に変化が生じるんだとか。
この技術を使うことで、健康な人と○○病にかかっている人の代謝物質を比較すると、Aという値に大きな違いが出ているぞ!
ってことは○○病とAという代謝物質は大きく関連しているに違いない!ってことが分かるようになります。
それが分かれば、次はAを減らすお薬ができないか?
とか
Aを減らす食べ物はないか?
とか
創薬やサプリ開発にも繋げられますよね。
HMTの現在の収益の柱はこのメタボローム解析事業。
健康な人、病気の人、お薬を飲んでいる人などの代謝物質を測定・解析して、その情報を大学や食品会社、製薬会社に提供しています。
病気の早期発見や正確な診断、最適な投薬などに活かせるぞ!と期待されている素敵な技術なのです。
もっと分かりやすいところで言えば、食品の成分比較分析みたいこともやっています。
食品会社でも、他社製品と比較して自社製品がどう違うか?ってこと示していたりしますよね。
○○牧場で育成したブタは、ビタミンが輸入ブタよりも3倍あるぞ!みたいな。
消費者の健康志向が高まる中で、企業側も客観的な「違い」を販促ツールとして打ち出しています。
こんな会社の需要にもHMTのメタボローム解析事業は答えることができるのです。
「メタボローム解析事業」は毎年大型案件も受託し、非常に順調に収益が伸びてきています。
出典:2017年3月期決算説明資料
HMTの大化けのカギはうつ病の診断マーカーの薬事承認にかかっている!
HMTのもう一つの柱はバイオマーカー事業。
会社の大きな発展のためには、人間の身体の状態を客観的データによって測定し評価するこの「バイオマーカー事業」にかかっています。
メタボローム解析事業は、既に書いたように製薬会社や食品会社からの受託で既知のバイオマーカーを測定して提供するものですが、バイオマーカー事業は新規のバイオマーカーを探索し、自社で新しい病気の診断技術の開発や試薬の販売を行っていく事業です。
○○という病気には○○という代謝物質が影響しているんじゃないか?って発見をして、実際にそれが確かかどうかを患者さんと健常者さんを比較して実証して、さらに国の保険適用を受けるために求められた治験をクリアして……っていう長いプロセスが必要なので、当然バイオマーカー事業は収益化するまで時間がかかります。
ただし、いざ収益化したときのインパクトも大きいことは言わずもがな。
HMTの戦略としては、短期的な収益はメタボローム解析事業でゲットして、その収益や増資で得たお金を赤字事業のバイオマーカー事業に回して、長期的な成長を実現していくという感じ。
んじゃあ、具体的に「バイオマーカー事業」でHTMが取り組んでいることは何かと言いますと……。
「うつ病」の診断技術の確立です。
PEA(リン酸エタノールアミン)という物質の濃度測定を行うことで、うつ病にかかっているか、そうでないかを診断するもの。
試験ではうつ病患者34名と、健常者31名の血液を採取し、メタボローム解析を行ったところ、うつ病患者の診断率が82%、健常人の診断率が95%と非常に高い精度を誇りました。
これまでうつ病というと本人が「なんかおかしいぞ……」と思って専門医を受診してはじめて発見される病気でした。
しかしなかなか精神科を受診するのに抵抗があったり、まさか自分がうつ病なんてといって、専門機関への受診が遅れ、気づいたときには重症化していた、という病気でもあります。
早めの診断、早めの治療が重要なのです!
そこでHMTの出番だ!
例えば健康診断の血液検査で、このうつ病の判定ができるようになったらどうでしょう。
現在、うつ病患者は年々増え続けており、自殺者も3万人います。
本人の自覚がない、または薄いうちに、「うつ病」であるという診断を下し、治療を促すことは社会的なニーズも非常に高いと考えられます。
会社的も2019年には保険収載や健康診断の項目に採用されることを目指しているよう。
ここまで来れば圧倒的かつ安定的な収益基盤が構築されます。
試験的に約1200人、2500例で計測したとのことで、十分精度は高そうな数字。
【追記】*日本精神神経学会の学術誌にHMTのうつ病バイオマーカーの論文が掲載されました!
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とは言ってももちろん診断率は100%ではありません。
うつ病でない人がうつ病として診断されるのでは!?という意見もあります。
だけどもともとうつ病は医師の主観的な診断による誤診の高さが問題視されています。
HMTの計測のような客観的なデータと組み合わせることで、誤診は減らせるでしょう。
社会保障費の削減は国の大きなテーマ。
手当たり次第に薬の量だけを増やしていく精神科医もいるそうですから、こうした治療法への歯止めにもなるかもしれません。
まだまだ時価総額は安いのでお得感はありますね。
エムスリーと資本業務提携!
HMTはうつ病バイオマーカーを全国の医療機関に提供するため、エムスリーグループのG-TACとの業務提携を発表しました。
エムスリーは医療従事者向けのポータルサイト「m3.com」を運営しています。
サイト利用者は8万人を超え、さらに伸び続けている状況。
HMTはエムスリーの医療機関とのネットワークを活用し、協力にバイオマーカーの認知度向上と販売促進に取り組んでいます。
うつ病バイオーマーカーの販売に、エムスリーのネットワークを使えることは非常に魅力的。
さらにエムスリーにうつ病バイオマーカーの有用性を認めてもらえたという点もHMTの信頼度向上に寄与するはずです。
HMTにとっては素晴らしい提携が実現できたと思います。
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そして試薬キット(β版)の提供を開始!
HMTさんが発見した血液バイオマーカーPEA(リン酸エタノールアミン)。
うつ病患者さんは健常者さんに比べて、このPEAの血中濃度が顕著に低下していました。
HMTさんの技術が、血液検査でのうつ病判定を可能にしたわけですが、一つ問題が。
このPEAの測定には非常に高額な設備が必要で、かつ測定には時間もかかるのです。
一般の医療機器として世の中に浸透するには到底無理。
そう思われていましたが、HMTさんはこの課題をクリアし、簡便にPEA測定を可能とする方法を確立しつつあります。
これまでの酵素法と呼ばれる方法では難しかった、低濃度の血中PEAを検出できる技術開発に成功したのです。
これによって、既に医療機関に広く設置されている汎用型の検出機器でのPEA検査ができるようになりました。
2018年にも試薬キット販売開始!
HMTさんは2018年にもPEAの試薬キットの提供を開始。
正式な製品の販売前に、試薬キットを提供することで医療機関から操作手順などの意見を聞き取り、そうした意見をもとに最終的な製品改良を行おうという戦略です。
小さな一般的な医療機関でも広く簡便・迅速にうつ病検査ができるシステム開発に引き続き取り組み、来年度中を目途に本試薬キットの販売開始を行いたいとのこと。
技術的には既にほぼ完成されていますので、あとは実際の現場で使用してもらって、細かい点を修正するだけというところまで来ています。
数年後には、精神科で患者さんか血液を採取し、問診をしている間にPEAの測定結果が出ちゃう⇒診察の制度が飛躍的に向上!って使われ方が普通にみられるかもしれません。
また、体調がすぐれないなぁと内科に行った患者さんの血液を採取し、血液センターに送って測定してもらい⇒結果、うつ病が判明!ってことも。
これまで難しかったうつ病の早期発見と、精神科医のみの診断に依存しない、客観的診断法が実用化に近づいているわけ。
川村総合診療院という実際の臨床現場でも使われて検証が始まっています。
数値目標を開示! 2029年にはうつ病検査で1,050億の売り上げを見込む!
半端ない売上目標を出してきました。。。
今から約10年後にはこの検査方法で1,050億の売上を見込むというもの。
算出根拠として、全世界のうつ病患者の10%が、年5回PEA検査を受けると想定しています。
出典:HMT決算説明会資料(2018年第三四半期説明会資料)
この10%の浸透率が高いか低いか、そしてそもそも日本や北米、欧州といった各地で薬事承認を取れるかといった点……。
ここまでHMTを絶賛しといてあれですが、まぁ実際のところめっちゃくちゃ高いハードルだと思います。
ずぇぇぇぇぇったいに無理!とまでは言いませんが、ここまでうまくいくかなあ?というのが正直なところ。
私個人は他に類を見ない素晴らしい検査法だと考えていますが、対象市場は日本だけでなく全世界ですからね。
しかも10%ってかなり高い数字。
この数字を達成するために、まずはそもそも各国で承認されて、保険収載されることが大前提です。
ただし、心の問題は非常にデリケートですし、画期的な診断法だけに各国の審査機関からどういった治験内容とどの程度の結果が求められるのかが全然読めません……。
お医者さんでも、うつ病バイオマーカーへの評価はさまざま。
学術誌の調査で「積極的に治療に取り入れるべき」という意見が10%程度かなかったのは、ちょっとひっかかります……。
「診断補助に有用」という意見と合わせても70%ない。
出典:HMT決算説明会資料(2018年第三四半期説明会資料)
過半数以上あるんだから良いだろう!(会社も現時点ではポジティブな結果として捉えています)って考えもあるかもしれませんが、やっぱり「面白くない!」って反発される精神科のお医者さんもたくさんいるような気がします。
一番安定的な売上に繋がるのは健康診断に取り入れられること。
本当に実現すれば毎年、大きな収益が得られることになります。
しっかし、これこそハードルは高そう。
特に日本なんて精神疾患へのネガティブ風潮は大きいです。
実際にうつ病だったとしても、おそらく会社に隠れて通院している人のほうが多いって現状の中、法定健康診断に取り入れられた場合、会社側から検査結果の提出が要求される可能性があります。
ある種、「うつ病であること」が強制明るみに出ちゃう事態は、実際の患者さんからも反発がありそう(もちろん、そんな風潮を変えていくことが一番大事なわけですが、現実的にはこの反発はあるでしょう)。
さらにもっと問題なのは、診断率が100%じゃない以上、健康診断で「うつ病の疑いあり」と誤って出た場合。
もちろん、その後に専門医の診断を受けて、「いやあうつ病じゃありませんでしたわw」ってなったとしても、周囲の人は全員が「お、そいつはよかったな! んじゃあお祝いで飲みに行くで!w」ってなるのか?
むしろ客観的な診断法が確立されていない精神疾患だからこそ、「その医者の診断が間違ってるだけで、ほんとはアイツうつ病なんじゃね……?」的な差別感情は少なからず生まれると考えるのが現実的でしょう(繰り返しになりますが、良い悪いの話ではなく)。
個人的には健康診断にも組み入れるべき、と思ってはいますが、実際は過度な期待は禁物かと。
なので、まずは承認・保険適用を受けて、各医療機関に診断・治療補助として取り入れていってもらうことですね。
検査自体は非常に安価ですし、本当にこの検査が早期発見・早期治癒に寄与するものであれば、結果的には医療費の削減にも繋がりますので、政府としても是非検討してもらいたいです。
で、徐々に世間のうつ病への理解も深まっていけば良いなぁというところです。
ぜひ、今回の試薬キットの提供によって、しっかりと製品に対する課題を収集し、現場が導入したくなるようなシステムを完成させてほしいです!
それと10%のシェアを取るためには各国で強力な販売パートナーとの提携は必須です。
こちらも好材料が出てくることに要注目。
でも現在の時価総額も100億ちょっとですからね。
たとえ目標とする売上の1/5でもすごいことです。
エムスリーとの協業も実現し、検査キット実用化後の販路拡大に向けての動きも着実に進めてきている印象を受けますので、夢があります。
まとめ
・HMTは血液検査によってうつ病を判定する!
・ついに試薬キットを医療機関に提供!
・保険収載されれば爆上げ必至!
遅れが当たり前、失敗が当たり前の創薬系にばかり接していたせいか、このHMTさんの着実っぷりが素敵すぎます。
ついに出してきた数値目標。
これも目が飛び出るほどの数字でした。
まだまだ何が起こるかわからない10年後の話ですが、夢のある話は大好きです。
本当に1,050億売ったら今のそーせいくらいの時価総額になっちゃうでしょうね。
株価4~50倍。
1枚買って10年寝かせておけば……最高級のお漬物になっていそうです(もちろん良い意味で!)。
目標達成に向けて、そして世界からうつ病を少しでもなくすために、がんばれHMT!
投資は自己責任・余剰資金で!
それでは今日もお読みいただきありがとうございました。
【追記】HMTがアルツハイマー分野にも参入したぞ!
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