いつもお世話になっております!
先日、会社で大好きな緑茶を淹れていたところ、「ユキユキちゃん、渋いね。緑茶だけに」って昔の上司に声を掛けられました。
さらに「あれ見せてよ。申告書」ってきたもんだ。
ちょうど確定申告シーズン。お昼休みにぼくもポチポチやっていたのを見られていた模様。この人も株をしてるんだった。




え……。
600万だと。
ぼくがメドレックスで痛手を負った2018年相場で600万の利益を出しただと。同じ会社に勤めていて管理職手当をもらっていると言っても雀の涙のド底辺サラリーマンが、600万だと。


……聞いたことねえなあ。
出来高見たら全然ない。一昨年から去年の前半にかけて、一部昇格で上がった株なんですね。
この人はどうしてこんなマイナー株を見つけたのか。
実はとんでもなく目利き力のある人なんじゃないか。

一昨年は相場良かったと思うんだけど、損したんだ。上手いのか下手なのかよく分かんないな。




上司さんが説明を受けたところ、下記のような理屈で上がると言われたらしい。
まず、ご存知の通り特定口座なら、株の利益から所得税が15%と住民税が5%が証券会社さんから差っ引かれて、それで「完結!」という扱いになります。
給料などの場合、所得税は累進課税なので、所得金額によって税率は5%~45%まで段階的に上昇。住民税は10%(端数は無視)で固定ですが、株で発生した利益については、
「みんな正確に確定申告をしろって言うと面倒くさがって株を買わなくなるから、所得税15%+住民税5%ってことで良いよ! 特定口座ならその手続きも証券会社にやってもらうからさ、お前ら何も気にすんな。税額も20%で決定だからガンガン株を買ってや」ってことにされてるわけです。
ただそれは「確定申告をしちゃあかんで」という意味ではありません。
例えば、A証券さんでは200万円儲かっていて、B証券さんでは50万円損をしていたとすると、そのままでは200万円×20%=40万円の源泉徴収をされちゃいますが、確定申告をして「損益通算」をすれば、B証券さんの損失50万円×20%の税金が還付されます。
また、株には繰越損失という制度があって、上司さんのように2017年に損失が出たら、最大3年間まで損を繰り越すことが可能。
翌年以降に利益が出れば、繰り越した損失と相殺をして、税金の一部が返ってくるというお得制度です。
(例)上司さんの場合
2017年:30万円の損失
2018年:600万円の利益(600万円×20%=120万円の税金を引かれている)
確定申告をして、2017年の損失と2018年の利益を相殺すれば、30万円×20%=6万円が返ってくる!
簡単な話ですよね。
なんですが……。
上司さんがなぜか絶大の信頼を寄せている行政書士や、市役所から言われたっていうのは、住民税は前年の所得を基準に計算されるので、
利益>繰越損失
になると、次の年の住民税が上がってしまうリスクがあると指摘されたと。

色んな所得を合算して税率を掛けるのが総合課税。ほかの所得と合算せずに、その所得だけに税率を掛けるのが分離課税。株の譲渡所得は分離課税です。


住民税は分離課税なので上がりませんが、2018年の上司さんの所得自体は株で発生した利益が積みあがってしまうことになるので、お国や地方自治体から大金持ち野郎と認識されます。
すると、お金持ち具合で変わってくる保育料や旦那の扶養から外れたりするリスクは発生。6万円ぽっちの所得税と住民税の還付分のお得は一瞬にして吹き飛ばされるかもしれません。

頭ごなしに否定されたからか、上司さんのご機嫌が悪くなる。




確かになあ。1万5千円はデカいよ。特にぼくたちド底辺サラリーマンからするとデカいよ。
寿司が三回食べられるもん。
だからといってド素人のぼくが責任を負うのも違う気がするし、そもそも面倒くさいなあ。

やべー。そうだ。そういえばこの人にリップルの大暴騰劇を話してたな。
この話をされたらぐうの音も出ない。
しぶしぶ市役所の「ピー」に確認することにしました。
市役所の「ピー」に電話をしてみた。

よく考えたら別に「ピー」じゃなくても良かったんだけど、隣で上司が聞き耳を立てながら「「ピー」じゃないとダメだ」と言うので変わってもらいました。

声はソフトな感じ。


うわ。ほんとだ。アッサリ言われた。


♪♪♪てんてれてんてんてーん♪♪♪
お待たせしました。株の譲渡益の場合は5%なので、5%で計算されますね。
ん?


ん?
プロセスはともかくとして、結局は損益通算して引ききれなかった分が出たとしても、それによって住民税が増えるってことはないわけじゃん。
相殺して差引ゼロになるんだから。


上司さんは独身貴族なんで総所得で計算される保育料とかは関係ないし、サラリーマンなので国民健康保険料も関係ありません。


ん?
ここで頭を掻きむしりたくなる。申告しなければ損失分の還付も受けられないじゃん。


ん?
最初からそう言ってるじゃん。

ん?


ええええ。
なんでちょっとキレてんの。そんな質問してないし。
ぼくの説明が悪いのかな。ここは冷静にいこう。



ここで「はい」と言ってくれたら話は終わったんですが、ぼくが1億なんて極端な例えを出したせいで、「ピー」も身構えたのかもしれません。さらに声がきつくなっていきました。



なんでいい大人なのに、市役所職員にこんなに怒られないといけないんだ。




ココで長い待受音。3DマトリックスのIRさんに質問をするときよりも長い時間が掛かりました。なんなんだよもう。
ここで上司さんが口を開く。




そんなことを話していると、待ち受け音が終わりました。

ヽ(・ω・)/ズコー――――!!!!
電話は始まってからここまで16分。疲れたあ。それにしても今までの経緯がなかったように、当たり前のように言ってくるな。
まあいいや。

試合が終わればノーサイドです。
ちなみにですね、今は住民税だけの話でしたが、国民健康保険料や保育料などが関係してくる人は、税務署に確定申告をして所得税の還付を受けるとともに、市役所には「申告不要」の申告をすることで、住民税分の還付はナシになる代わりに、国保や保育料の算定基準となる所得に株の譲渡益を含めないこともできるよう。
税金って複雑すぎてイヤになる。
今回の件なんて分かっている人からすれば、低レベルすぎるんだろうな。
ぼくの説明と「ピー」の理解力がどちらも浅すぎたせいで、16分も話してしまった。
っていうことで、元上司さんには還付された税金で、今度寿司を奢ってもらおうと思います。
*不安な人は確定申告書を作成したのち税務署と市役所に確認を取りましょう。
自分も役所に問い合わせする事がありますが、
こういう人いますよね・・
たぶん自分自身がよく理解出来てないので逆切れするのでしょう
この手のタイプは、「だから!」とか「要は!」って言ってきます。
そういう時は、他の人に代わってもらうのが一番です。