市役所に株の損益通算の質問をしたらちょっと怒られた件。

いつもお世話になっております!

先日、会社で大好きな緑茶を淹れていたところ、「ユキユキちゃん、渋いね。緑茶だけに」って昔の上司に声を掛けられました。

さらに「あれ見せてよ。申告書」ってきたもんだ。

ちょうど確定申告シーズン。お昼休みにぼくもポチポチやっていたのを見られていた模様。この人も株をしてるんだった。

(ぼく)
……え、やですよ。だってぼく去年損しましたし。
(元上司)
あら、そなの? 俺は去年結構儲かったんだよね。
(ぼく)
いくらくらいですか?
(元上司)
600万くらいかな。

 

 

え……。

 

600万だと。

ぼくがメドレックスで痛手を負った2018年相場で600万の利益を出しただと。同じ会社に勤めていて管理職手当をもらっていると言っても雀の涙のド底辺サラリーマンが、600万だと。

(ぼく)
うそ!? なんの会社でそんなに儲けたの?
(元上司)
キミさ、なんでいきなりタメ口なのよ。CKサンエツだよ。

 

……聞いたことねえなあ。

出来高見たら全然ない。一昨年から去年の前半にかけて、一部昇格で上がった株なんですね。

この人はどうしてこんなマイナー株を見つけたのか。

実はとんでもなく目利き力のある人なんじゃないか。

(元上司)
俺、一昨年は30万損してんだよね。去年、確定申告をして損失繰越してるから、今年は損益通算すれば30万×20%だから6万も戻ってくると思うでしょ?

一昨年は相場良かったと思うんだけど、損したんだ。上手いのか下手なのかよく分かんないな。

(ぼく)
はい、思います。
(元上司)
知り合いの行政書士に聞いたんだけど、それってヤバいらしいよ。確定申告しちゃうと、住民税は上がっちゃんだって。
(ぼく)
なんで住民税が上がるんですか? 損益通算したら還付されることはあっても、上がることはないでしょ。……ていうかなんで行政書士? 税理士に訊けば良いのに。
(元上司)
税理士の知り合いなんていないもん。一応、自分で市役所にも確認したら上がるって言われたぞ。

上司さんが説明を受けたところ、下記のような理屈で上がると言われたらしい。

まず、ご存知の通り特定口座なら、株の利益から所得税が15%と住民税が5%が証券会社さんから差っ引かれて、それで「完結!」という扱いになります。

 

給料などの場合、所得税は累進課税なので、所得金額によって税率は5%~45%まで段階的に上昇。住民税は10%(端数は無視)で固定ですが、株で発生した利益については、

「みんな正確に確定申告をしろって言うと面倒くさがって株を買わなくなるから、所得税15%+住民税5%ってことで良いよ! 特定口座ならその手続きも証券会社にやってもらうからさ、お前ら何も気にすんな。税額も20%で決定だからガンガン株を買ってや」ってことにされてるわけです。

 

ただそれは「確定申告をしちゃあかんで」という意味ではありません。

例えば、A証券さんでは200万円儲かっていて、B証券さんでは50万円損をしていたとすると、そのままでは200万円×20%=40万円の源泉徴収をされちゃいますが、確定申告をして「損益通算」をすれば、B証券さんの損失50万円×20%の税金が還付されます。

また、株には繰越損失という制度があって、上司さんのように2017年に損失が出たら、最大3年間まで損を繰り越すことが可能。

翌年以降に利益が出れば、繰り越した損失と相殺をして、税金の一部が返ってくるというお得制度です。

(例)上司さんの場合

2017年:30万円の損失

2018年:600万円の利益(600万円×20%=120万円の税金を引かれている)

確定申告をして、2017年の損失と2018年の利益を相殺すれば、30万円×20%=6万円が返ってくる!

簡単な話ですよね。

 

なんですが……。

上司さんがなぜか絶大の信頼を寄せている行政書士や、市役所から言われたっていうのは、住民税は前年の所得を基準に計算されるので、

利益>繰越損失

になると、次の年の住民税が上がってしまうリスクがあると指摘されたと。

 

(ぼく)
でも株の譲渡益って分離課税なはずだから、申告したことで住民税額が上がるってあり得ないと思いますよ。

色んな所得を合算して税率を掛けるのが総合課税。ほかの所得と合算せずに、その所得だけに税率を掛けるのが分離課税。株の譲渡所得は分離課税です。

(元上司)
でも市役所のやつに自信満々に言われたけどな。名前も聞いたよ。「ピー」ってやつだった。
(ぼく)
それって国保とか扶養の話と混乱してるんじゃないですか。

住民税は分離課税なので上がりませんが、2018年の上司さんの所得自体は株で発生した利益が積みあがってしまうことになるので、お国や地方自治体から大金持ち野郎と認識されます。

すると、お金持ち具合で変わってくる保育料や旦那の扶養から外れたりするリスクは発生。6万円ぽっちの所得税と住民税の還付分のお得は一瞬にして吹き飛ばされるかもしれません。

(元上司)
だって俺、独身じゃん。扶養関係ないでしょ。健康保険も国保じゃなくて社保じゃん。あのねえ俺だってそんな馬鹿じゃねえよ。「ピー」にも「住民税」ってハッキリ言ったよ。お前さ、「ピー」に確認してみてよ。

頭ごなしに否定されたからか、上司さんのご機嫌が悪くなる。

(ぼく)
えーイヤですよ。ぼく、上司さんの保護者じゃないんだから、「ピー」もビックリしちゃいますよ。
(元上司)
別にお父さんとして聞かなくてもいいじゃん。「友達が「ピー」さんに聞いたって言ってて、ぼくも同じ立場だから確認したい」って電話しろよ。
(ぼく)
……気が乗らないなあ。600万も儲けたんなら、住民税の還付金なんてどうでも良いんじゃないですか? 30万×5%だから1万5千円の話でしょ。
(元上司)
ダメだよ。600万と比較するから1万5千円がどうでもよくなるんであって、日常生活における1万5千円の重みを感じてくれよ。俺の頭の中では1万5千円戻ってくるもんだってインプットされちゃったんだから、今更それがゼロになるって言われたら落ち込むだろ。「ピー」に電話しろよ。

確かになあ。1万5千円はデカいよ。特にぼくたちド底辺サラリーマンからするとデカいよ。

寿司が三回食べられるもん。

だからといってド素人のぼくが責任を負うのも違う気がするし、そもそも面倒くさいなあ。

(元上司)
ユキユキちゃん。俺は忘れてないよ。キミが去年の今頃にドヤ顔で進めてきた仮想通貨を。俺さ、15万分買っちゃって、今3万だよ。あれ、どうすんのよ?

やべー。そうだ。そういえばこの人にリップルの大暴騰劇を話してたな。

この話をされたらぐうの音も出ない。

しぶしぶ市役所の「ピー」に確認することにしました。

市役所の「ピー」に電話をしてみた。

(ぼく)
あ、ワタクシ市民のものなんですが、「ピー」さんっていらっしゃいますか?

よく考えたら別に「ピー」じゃなくても良かったんだけど、隣で上司が聞き耳を立てながら「「ピー」じゃないとダメだ」と言うので変わってもらいました。

(「ピー」)
はい、お電話変わりました「ピー」です。

声はソフトな感じ。

(ぼく)
あ、すいません。先日も同じような電話があったかと思うんですが、ぼくも株でですね、2017年に損をして、そのときに確定申告で繰越損失をしてるんですね。で、2018年で利益が出たんで、また確定申告をして相殺をかけようと思ってるんですけど、この場合に損失以上に利益が出ていたら、はみ出した分って今年の住民税に反映されるんですか?
(「ピー」)
えーっとそうですね。

うわ。ほんとだ。アッサリ言われた。

(ぼく)
そしたら、引ききれなかった分が給料とかと合算して税額が計算されるってことですか? 分離課税なのに?
(「ピー」)
……あーなるほど。いや、株の譲渡益に掛かる税率は給料とかとはまた違ってくるんですね。そうですね、分離課税なので。……えっとちょっとお待ちくださいねぇ。

♪♪♪てんてれてんてんてーん♪♪♪

お待たせしました。株の譲渡益の場合は5%なので、5%で計算されますね。

 

ん?

(ぼく)
分離課税で5%だったら、2018年に利益が出た段階で特定口座から引かれてるじゃないですか。翌年にまた引かれたら二重課税になりませんか?
(「ピー」)
えっとー、なのでぇ。……いや! 確定申告書に2018年に徴収された税額を書いていただければ、翌年の住民税はそこから還付をします。

 

ん?

プロセスはともかくとして、結局は損益通算して引ききれなかった分が出たとしても、それによって住民税が増えるってことはないわけじゃん。

相殺して差引ゼロになるんだから。

(ぼく)
だから、確定申告をして損益通算をすれば、一昨年の損失分×5%の住民税が戻ってくるだけって認識で良いですよね?
(「ピー」)
……うーんと、ただ住民税のほうの所得には含めますので、あの税金が還付になったとしても、そのほかの保険料とかの……。

上司さんは独身貴族なんで総所得で計算される保育料とかは関係ないし、サラリーマンなので国民健康保険料も関係ありません。

(ぼく)
あ、今ちょっと保険料とかは該当しないので、住民税についてだけを教えていただきたいんですけど。
(「ピー」)
……(長い沈黙)。そういうことであれば、本来は既に特定口座から源泉されてるので、本来であればですね、そもそも確定申告自体が不要になるんですが。

 

ん?

ここで頭を掻きむしりたくなる。申告しなければ損失分の還付も受けられないじゃん。

(ぼく)
申告不要にすると還付が受けられないじゃないですか。
(「ピー」)
うーん。まぁそうですね。還付を受けられたい?

 

ん?

最初からそう言ってるじゃん。

(「ピー」)
あのー、ですからね、うん。確かに税務署に確定申告をすれば、所得税のほうは損益通算をして還付が受けられまして。えっとーそしてその情報については市役所にも来ますので、そのー、特定口座から源泉された金額と、住民税に掛かってくる税額を照らし合わせてですね、還付になるか追加になるかの計算をしますから。

 

ん?

(ぼく)
追加になることってありますか? 5%で決まってるんだから、どれだけ利益が出ていたとしても、損益通算をしたからって住民税が増えることってないんじゃないですか。特定口座なら5%分の源泉はすでにされているわけだから。
(「ピー」)
あの、すいませんが! 今はそもそも確定申告をする必要がないんじゃないかって質問をされたいんですか!?

 

ええええ。

なんでちょっとキレてんの。そんな質問してないし。

ぼくの説明が悪いのかな。ここは冷静にいこう。

(ぼく)
そうではなくて、損益通算をして税金の還付を受けたいんですよ。確定申告をしないと還付は受けられないじゃないですか? そうしたときに、2017年に30万円の繰越損失をしていて、2018年にそれ以上の利益が出たとしても、税務署に確定申告をすれば30万円分に掛かってくる所得税と住民税の還付だけが受けられるんですよね、という確認だけなんですが
(「ピー」)
そう……なりますね! 繰越損失の30万円への税額の還付になりますね!
(ぼく)
ですよね。2018年の利益が、100万円であろうが、1億円であろうが、損益通算をしたせいで翌年の住民税が上がることはないですよね?

ここで「はい」と言ってくれたら話は終わったんですが、ぼくが1億なんて極端な例えを出したせいで、「ピー」も身構えたのかもしれません。さらに声がきつくなっていきました。

(「ピー」)
いや、ですから! 上がるかどうかっていうのは現時点ではお答えできないんですよ!
(ぼく)
えーどうしてですか……(涙)
(「ピー」)
ちょっと実際に、いくらの所得があって、いくらの還付があってっていう情報が分からないと、実際の税額は出せないのでっ!!

なんでいい大人なのに、市役所職員にこんなに怒られないといけないんだ。

(ぼく)
だって分離課税で5%で決まってるって「ピー」さんもおっしゃったじゃないですか……。
(「ピー」)
ほかの所得とかの兼ね合いもあるでしょ!
(ぼく)
どうして兼ね合いがあるんですか……、分離課税なのに。
(「ピー」)
いや、あの、兼ね合いと言うか、実際に……。ちょっとお待ちいただけます? ごめんなさいね!

ココで長い待受音。3DマトリックスのIRさんに質問をするときよりも長い時間が掛かりました。なんなんだよもう。

ここで上司さんが口を開く。

(元上司)
おい、「ピー」なんか怒ってんじゃん。こっちにまで漏れてたぞ。
(ぼく)
ぼくもう切っていいですか。「ピー」、威圧的なんだもん。
(元上司)
ダメダメ。今「ピー」が確認してるところだろ。でもさー、これさ、ユキユキちゃんが電話切った後に、「はあ、クレーマー野郎に説明するのもめんどくせーぜ。たかが一万五千円の還付だぜ」って失笑されるパターンじゃない? お前、良いネタになるな。
(ぼく)
そう思うともっと切りたくなるなあ。ぼくに一万五千円返ってくるわけじゃないのに。

そんなことを話していると、待ち受け音が終わりました。

(「ピー」)
お待たせしました。二重取りの防止になっていますので、住民税が上がることはありません。

 

ヽ(・ω・)/ズコー――――!!!!

電話は始まってからここまで16分。疲れたあ。それにしても今までの経緯がなかったように、当たり前のように言ってくるな。

まあいいや。

(ぼく)
分かりました。どうもありがとうございました。

試合が終わればノーサイドです。

 

ちなみにですね、今は住民税だけの話でしたが、国民健康保険料や保育料などが関係してくる人は、税務署に確定申告をして所得税の還付を受けるとともに、市役所には「申告不要」の申告をすることで、住民税分の還付はナシになる代わりに、国保や保育料の算定基準となる所得に株の譲渡益を含めないこともできるよう。

税金って複雑すぎてイヤになる。

今回の件なんて分かっている人からすれば、低レベルすぎるんだろうな。

ぼくの説明と「ピー」の理解力がどちらも浅すぎたせいで、16分も話してしまった。

っていうことで、元上司さんには還付された税金で、今度寿司を奢ってもらおうと思います。

*不安な人は確定申告書を作成したのち税務署と市役所に確認を取りましょう。

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2 件のコメント

  • 自分も役所に問い合わせする事がありますが、
    こういう人いますよね・・
    たぶん自分自身がよく理解出来てないので逆切れするのでしょう
    この手のタイプは、「だから!」とか「要は!」って言ってきます。
    そういう時は、他の人に代わってもらうのが一番です。

    • KJさん、コメントありがとうございます!
      いやーほんと色々疲れちゃいました。
      複雑なのは分かりますが、お金に関わることなんで曖昧な回答ならしてほしくないなあと思いました。

      違う人に代わってもらうのも手ですね!
      今後ともよろしくお願いいたします!

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