こんにちは。
いつもお世話になっております。
どうもワタクシです。
メドレックスがストップ高でしたね。
マイクロニードルアレイの米国特許取得に反応しての暴騰でしたが、まさかストップまで行くとは思いませんでした。
特許IRは往々にして行ってこいの場合がありますが、今後はどうなりますやら。
さてそんな特許ではなく、明確に売上に直結するIRを発表したバイオベンチャーがあります。
GNIさんです。
GNIがやりやがった!中国でアイスーリュイが保険収載!
かねてより肺線維症治療薬であるアイスーリュイの中国での保険収載を目指していたGNI。
今年中に目途がつけばなぁ……なんて考えていたところ、いきなり出ました!
日本の厚生労働省に当たる中国人力資源社会保障部が、アイスーリュイの健康保険目録への収載を決めたという発表です。
このニュースはデカい。
いつお金になるか、そもそもお金になるかも分からない「特許」とか、「なんとかシステムの完成」とか「なんとかっていう止血材のデバイスのCEマーク」とかとはレベルが違う。
まさに売上に直結するIR。
正直、こんなに迅速に決まるとは思わなかった。恐れ入りました。
そしてホルダーさん誠におめでとうございます。
ワタクシもGNIには注目していたんですが、手が出ませんでした。
自社工場を保有し、自ら製造販売するビジネスモデルはUMNを彷彿とさせるところがあって、ビビっちゃってました。
もちろん、すでに上市薬を持っている点でUMNとは全然違うんですが、拠点が中国だしなんだかんだいって見えないリスクがあるんじゃないかなぁと……。
ほんと下手くそだよなぁ。。
それにしても今回の材料は大きい。
特発性肺線維症(IPF)とは簡単に肺が線維化して硬くなっていって、機能が劣化していく病気。
息切れや、痰、呼吸困難など起き、そして最終的には死に至るという大変恐ろしい病気なのです。
アイスーリュイは中国で販売されている唯一の肺線維症治療薬です。
そう、患者の選択肢はアイスーリュイのみ。ただ、問題は値段がめちゃくちゃ高いこと。
1カプセル100mgでだいたい250円。
これを毎日6カプセルから18カプセル飲み続けないといけないのです。
つまりは……
1,500円~6,000円/日!!
ワタクシみたいな低所得者は現実的には使用が困難。
……にも関わらず「独占薬」であるアイスーリュイのニーズはすごかった。
そりゃそうだよなあ。罹患してから10年後の生存率が20%という病気。
あの世にお金は持っていけませんので、自由診療でも売上は絶好調。そこにきて今回の保険適用です。庶民も手軽に使えるようになれば……。
売上は確実に伸びるでしょう。
さらに大気汚染が深刻化する中国において、IPF患者は増えると予想されています。
アイスーリュイの売上が加速度的に伸びていく確度が高まりました。
今日でGNIの企業価値はスリーランクぐらい上がったと考えています。
一方、懸念されるのはアイスーリュイの保護期間。
2019年に特許が切れた後に多くのジェネリック製品が登場するのではと懸念されます。
ただこれについては新薬にしてもジェネリックにしても、中国の審査体制はいっぱいいっぱいの状況が続いているとのことであり、期間満了後もしばらくは競合品は出てこないのではないか?と考えています。
……まぁでも中国だからな。
そもそものGNIの保険収載にしてもサプライズだったし、ある日ぽーんと安価な競合品が出てくるか可能性は頭に入れておく必要があろうかと思います。
「製薬企業GNI」の本領発揮だ!
売上が伸びていけば伸びていくほど、GNIへの手取りの割合は増えていきます。
なぜならばGNIはアイスーリュイの製造も販売も自社でやっちゃってるから。
販売権を他社に許諾して、10%くらいのロイヤルティ収入を得る創薬ベンチャーとはビジネスモデルが全然違うんです。
もちろん、工場を自前で抱えれば、自社製品の売上が立たない段階では大きな固定費だけがかかることになります。
だからこそ。だからこそですよ。今回の保険収載は大きなプラス材料。
だって前期の製品原価って2億ないんです。
11億売ってんのに原価は2億。
どんだけ粗利あるんだって話ですよ。
もちろん、その分販管費は大きいですが、売上が伸びてきて、損益分岐点を超えちゃえば、あとは売上×80%の内部留保が積みあがっていくのみだ!
あ、ごめん嘘ついた。
損益分岐点を超えちゃって、今までの繰越損失を一掃しちゃえば、法人税がかかってきますので、利益額の4割弱(法人税+事業税)が税金で取ってかれます(日本だったらね。中国の税制はもうちょっと低いんじゃないかな)。
税金って本当に経営に大きな影響を与えますよね。
まぁそれにしたところで……やべーだろこれ。
売上の半分以上の利益キャッシュが入るんだもん。
黒字化なんて当たり前。税金の心配をしなきゃいけない状況。
GNI自身が言っているように「患者数と売上収益は著しく増加する」ことは間違いない。
独占状態なので、3Dみたいに大きな販促費だってかける必要ない。
とんでもないコストをかけて臨床データとって、既存薬との優位性を示して、学会で発表したり、医者に「一回試してみてくださいよー」って営業かけたりする必要一切ない!(極論ですよ)
だってIPF患者にとっては、「アイスーリュイを使うか使わないか」の選択肢しかないんだもん!
肺移植ってのもあるけど、これはさすがにリスクが高すぎるんで、実質的には医者は自動的にアイスーリュイを処方するのみ。
どこのお殿様の商売だ。。。
もちろん、他のより優れた競合薬が上市されれば、みたいなリスクはありますが、そうそう医薬品の上市なんてできるもんじゃないし。
GNIはアイスーリュイの適応症の拡大にも動いていますし、新薬の開発にも積極的。
アイスーリュイの販売により、潤沢な資金を稼ぐことで、次なるパイプライン開発も急速に推し進めていくことが可能になります。
金がなくていくつかパイプランをストップさせちゃってるどこぞの「7777」とは大違いだぞ!
うらやましーなぁおい。
2020年の売上計画65億は十分達成可能な数字!
当たらないバイオの中期経営計画ですが、今回の材料によってGNIの2020年の売上計画65億、経常利益25億の予測は十分達成可能になったと思います。
というか上記の数字は自由診療を前提とした数字。
順調にいけば倍以上の売上があってもおかしくないと考えています。
ちなみに下記のレポートがとても参考になります。
【参考】中国の医療保険制度
これによると、中国の医療保険は「新型農村医療保険」や「都市住民基本医療保険」といっていくつか種類があり、保険や各省で自己負担割合が変わっているんですね。
ちなみに全額保険で賄われる「甲リスト」と言われる保険に収載されれば、薬価は国の財政負担を軽減するために30~50%引き下げられるものの、売上は一気に20~30倍になるそうな……。
にわかには信じがたい数字ですが、これが本当ならばとてつもないインパクトがあります。
ただ、他の資料も色々調べてみますと、どうやら保険でまかなわれる金額には限度額が設定されているようで、その金額を超えちゃうと自己負担が発生するよう。
ですので、上記の20~30倍というのは、比較的安価な医薬品(限度額を超えない、タダで処方してもらえる医薬品)を指しているような気もします。
アイスーリュイは高価な薬なので、楽勝で限度額超え。
薬価の引き下げ及び売上見込については、GNIもはっきりとした数字を出していませんし、中国の場合は各省で自己負担割合も異なっている複雑性があるので、保険適用後の売上実績によって、株価は上にも下にもぶっ飛びそう。
それにしても、今回は中国という国の、良い意味での審査機関の仕事の早さ(?)が見えました。
他のパイプラインについても予想もしなかったこと進展があるかも。
時価総額的には500億を最低線として、どこまで積み上げられるか。
一時は大きく低迷し、倒産の危機にすらあったGNIがこうして黒字化目前のところまでくるというのは、大変よろこばしいことです。
これからの展開に大いに注目しております!
【追記】この勢いに乗じて、GNIはアメリカの企業の買収を発表しました! 一気にそーせい化するか!?
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まとめ
・GNIがやりやがった!
・第二のそーせいの大本命に!
・粗利の高さで一気に黒字化か!?
いやぁバイオが盛り上げってきました。
メドレックスの特許くらい(失礼)でストップ高になるくらいだもん。
まぁメドレックスの場合はチザニジンの「MRX-4TZT」のフェイズ1の結果が決算資料で出たせいもあるかもしれませんが。
いずれにしても3Dマトリックス!
おい、大チャンスだぞ!
今こそIRを出しなさいよ!
ひねりだしなさいよ!
この流れに便乗しろよ!
CEでも、韓国でも、日本再治験でも、フランス代理店でも、この際特許でもいいから出しなさいよ!
……しかしまぁ本当に出ないよなぁ……。
岡田社長の自信は何だったんだ。
3Q発表前にはなんも出なさそうですね。
GNI様を買えなかったワタクシは指を加えてみております。。
それでは今日も最後までお読みいただきありがとうございました_(._.)_
ワタクシさんのブログ、毎日楽しみにチェックしてます。昨年からGNIのホルダーでしたが、低迷する株価に何度も嫌気がきて、売っぱらいそうになりましたが、ワタクシさんのGNIについてのコメントやその他の記事に元気づけられて、今日までホールドできました。本当に感謝しています。これからもブログ更新楽しみにしていますので、頑張ってください!!