メリーゴーランド(荻原浩)のあらすじと感想(ネタバレあり)

いつもお世話になっております。

最近、バイオにも動きがないので、小説の感想とか書いていきます。

誰も読まないでしょうけど……、別にいいんです。書かないと秒速で忘れてっちゃうので。。

三十歳を過ぎると記憶力の低下が半端ない。悲しい。

 

さて、ちょっと笑える小説を読みたいと思ってアマゾンでの評価が高かった「メリーゴーランド」を買ってみました。

最近、直木賞を取られた荻原浩さんの2006年発行の「まちおこし?小説」です。

 

あらすじ(ネタバレあり)

舞台は日本でどこにでもありそうな、架空の都市「駒谷市」。

主人公は9年前に東京で勤務していた家電メーカーが激務過ぎて、嫌になっちゃっったことから市役所にUターン就職してきたという遠野啓一です。

結婚して、子供もできて、適度に幸せな公務員生活を過ごしてきた啓一ですが、「辞令」を受け取ってから生活は一変していきます。

その辞令とはバブル時代に作っちゃったハコモノ「アテネ村」の管理会社、「ペガサスリゾート開発」への出向です。

 

コンセプトもない、職員も天下りだらけ、人が全然来ない赤字垂れ流しのテーマパーク「アテネ村」を再建させるための新たなセクションで働くことになった啓一。

市役所に設けられた新たなそのセクションのメンバーも、視察と称した旅行の企画にだけ熱心な課長の丹波に、なぜかスポーツ新聞ばかりを読んでいる林田、チャラ男の柳井、影の薄い掴みどころのない女性の徳永という、それはそれはやる気のない面々ばかり。

 

また、ゴールデンウィークに開催をする企画会議に出席をしますが、「ペガサスリゾート開発」の役員たちも、市役所の天下りや前例主義で極端な保守的な老人役員たちで占められており、イベント企画会社からの新企画の発案にも、訳の分からない批判の嵐。

 

やる気をなくしかけた啓一に、市の商工労働部長から「ボトムアップでゴーゴー!」の声が。

なんとなくその気になっちゃう啓一は、生意気なイベント企画会社の沢村とこれまでにないイベント企画を考える。

 

企画名は「ローズガーデンパーティ」。

 

この企画の実現に向けて、啓一は自身が学生時代に所属していた劇団の「ふたこぶらくだ」に応援を求める

個性的な座長の来宮に振り回されながらも、企画を進めていく啓一。

 

 

詳しいパーティ内容はこんな感じ……。

アテネ村の唯一のパイプスライダーを入り口として、その到着出口に広がる子供広場が舞台となっている。広場では小動物園があり、あちこちで大道芸人が芸を披露する。

コスプレをして客をもてなす「ふらこぶらくだ」の劇団員たちに加え、つぶれた動物園から引き取ってきた動物たちにも変装をさせ、来園者を楽しませる。そのほか、会場のあちこちで小イベントを開催するというもの。

 

 

ところがイベント開催初日の人出は最悪

 

焦る啓一に、来宮が地元のテレビ番組に出演し、イベントをPR。

マーケティングの心得を真面目に伝える来宮に忘れかけていた民間では当たり前のことを思い出す啓一。

 

来宮のおかげもあって、二日目以降はたくさんの来場者を集めることに成功した。

 

さらに徐々に再建に向かっての取り組みを進めていく啓一だったが、市長選に「財政のムダ」の削減を訴える室田が出馬を決定したことから雲行きが怪しくなる。

室田は公約にアテネ村の閉園を掲げていたからだ。

当初、現市長、「増淵」の圧倒的勝利が予想されていたのだが、ネット上に増淵の告発文書が載る。

HPに増淵の告発したのは「増淵の愛人の子」を名乗る人物。内容はプライベートな問題から政治的な不正の数々まで。

また、妻も室田を応援する市民団体に加入していたことが分かった。

 

市長選の結果、当選したのは室田だった。HPの「増淵の愛人の子」は徳永(どんでん返し)だったということも判明する。

廃止が決定したアテネ村に家族を連れていく啓一。

廃園した遊園地から譲り受けた、アテネ村の新たな目玉にしようとしていた「メリーゴーランド」に家族で乗ると、夜空には一面の星が散っていた。

 

というお話でした。

 

感想。

市役所の職員と仕事をした人なら何度も頷かざるを得ない小説でした。

やる気はないけど文句ばかり言って、かといって代案は出さずに無駄遣いばかり。そして態度の横柄さ。

もちろん、全員がそんな人たちだけじゃないんですけど、中にはいるんですよね。。特に年齢が上に行くにつれて。

失敗すれば外注先のせい、成功すれば自分たちのおかげ、ってなもんで。

この小説からはそんな空気がぷんぷん滲みでています。

 

企画会議とか面白おかしく書いていますが、結構リアリティがあります。

ただ、ちょっと長すぎる。途中で若干飽きてきました。

核となるストーリーの骨組みは単純なんですが、肉付けがうまいからサクサク読めるけど、それにしても冗長すぎるかなぁと。

アマゾンの評価を見てみるとめちゃくちゃ高いので、他のみなさまは気にならなかったようですけど。

 

それといくらなんでも赤字のテーマパークがこのイベント一つ、そしてテレビに来宮が出ただけでこれだけの人出がきて、再興の目途が立つっていうのは「ご都合」すぎるかなぁと思いました。

これでああ良かったね、万々歳で小説が終わってたら、たぶん星一つレベルだったと思うのですが、そのあとの市長選挙からの新市長誕生、アテネ村廃止、新市長もあっさりと権力の快感に染まっちゃうって流れがすごくよかったですね。

 

さすがしっかりとどんでん返しを入れてきています。

この「現実の厳しさ」のおかげで、アテネ村再建のお話のある種の嘘くささが和らいだように思います。

 

ちょっと中だるみしますが、さすがは直木賞作家。

終わってみれば満足のできる小説でした。

 

それでは明日からまた地獄の一週間をがんばりましょう……。

今日も最後までお読みいただきありがとうございました_(._.)_

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