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エトリートがDOMS試験に失敗!株価の見通しは悲観的?

痛すぎる。

痛すぎる失敗。

メドレックスのエトリートがDOMS試験の1本目の臨床試験に失敗しました。

 

これで経営計画の見直しは必至。

どうなる今後のメドレックス!

目次

エトリートが最後の挑戦、DOMS試験の1本目に失敗!

ご存知の通り、メドレックスさんはイオン液体を活用した既存薬の貼付剤化という基盤技術を持っています。

飲み薬を張り薬にしちゃえば胃腸へのダメージを食らうこともないし、飲み忘れをすることもないし、というようにたくさん良いことがあります。

 

また一から創薬するのに比べて、すでに有効性が確認されている既存薬を貼り薬にすることは開発リスクも小さいと考えられます。

非常におもしろいビジネスモデルだなあ、とワタクシも期待しておりました(2枚しかもってないけどね……だって臨床前の持ち越しは怖いんだもん)。

 

そんなメドレックスさんの最も進んでいるパイプラインは、非ステロイド性消炎鎮痛剤(NSAIDs)であるエトドラクを張り薬にしたエトリート。

上市への最後の難関となるフェイズ3に取り組んでいたのです。

 

FDAより求められた臨床試験は2本。

そしてこの内の1本目、DOMS(遅発性筋肉痛)に対する臨床結果が発表されました。

 

結果は……

主要評価項目である累積痛みスコアにおいて、ETOREATⓇ投与群と対照薬(プラセボ) 投与群の間で統計学的な有意差は示されませんでした。
出典:http://pdf.irpocket.com/C4586/xoy0/PVGq/jymj.pdf

 

 

あああああかんかったか。

 

通常の臨床試験よりもハードルが低いと考えられていたDOMSでもあかんかったか。

これでエトリートのフェイズ3は、足首の捻挫で失敗(非公開だけど)、肩の痛みで成功、腰の痛みで引き分け(ITTで失敗、PPで成功)、そして筋肉痛で失敗という結果になりました。

 

1勝2敗1分けってな感じでしょうか。

 

これでエトリートの実用化は極めて厳しくなりました。詳細な解析次第ですが、2本目の臨床を行わず、このまま開発断念という決断をする可能性が高いと思います。

 

今後のメドレックスはどうなるのか?

6月末時点で現預金額は28億保有しています。

 

エトリートが成功すれば興和から10億のマイルストーンが入るはずだったので十分な金額だったわけですが、これが見込めなくなった今としては……。

今期の赤字も20億を超える見込みですし(DOMSの2本目がなくなれば縮小するかもしれませんが……)、今後の収益源の目途もついていませんので、来年あたりに再び増資するでしょう。

 

エトリートがなくなったとしても、3本のパイプラインを並行して進めているので開発費の負担は相当なものです。

導出できなければ自社開発せざるを得ず、増資額もかなりの規模になるでしょう。

既存株主にとっては大きな希薄化が。

 

そもそもエトリートがこういう状況になってしまった今、増資を成功させること自体簡単ではないでしょう。

 

メドレックスの基盤技術、ILTSはもうあかんのか!?

メドレックスのパイプラインは全て同様の基盤技術によって開発されています。

ならば今回の失敗により、技術そのものが無価値なのでは、という不安も出てくるわけで。

 

色々意見はあるかと思いますが、メドレックスのILTS自体がダメダメなものと確定したわけではないと思います。

実際、肩では成功しているわけですし、腰でもPPでは成功した。この事実は変わりません。

 

 

今回の結果になった理由はいくつか考えられます。

 

一番大きいのはプラセボが強く出てしまったということ。

 

またていうかそもそもDOMSに対してエトドラク(NSAIDs)自体の有効性があったのか、という疑問もあります。

過去の治験でもNSAIDsの効果は不透明のようですし。

出典:http://hospitalist-gim.blogspot.jp/2016/01/nsaid.html

 

最初から効果のない(弱い)お薬を張り薬にしてたんだったら、どんだけ経皮吸収性が高くてもそりゃ効くわけないよなあってことで。

エトドラクの経口投与の筋肉痛に対する臨床結果なんかがあるんなら見てみたいですね。

 

でもまあ流石にその辺はFDAとメドレックスも把握したうえで今回治験デザインをDOMSにしたんでしょうけど……。

 

 

いずれにしても基盤技術への不安が高まったことは間違いないでしょうが、崩壊したとまではいえない。

そんなところでしょうか。

 

今後の株価としてはしばらく低迷が続くのは仕方ないとして、エトリート以外のパイプラインの導出ができるか(できれば大手に)、という点が注目されます。

【追記】メドレックスのチザニジンテープ剤の導出が発表されました!
[kanren postid=”2966″]

 

会社側としては経皮吸収製材はニッチな分野であり、大手製薬会社も自社内で開発しづらいことから、比較的対等な立場で契約交渉に望めると自信を示していますが、この言葉を証明できるか。

なんとか復活してほしいものです。

 

まとめ

アキュセラから始まったフェイズ3での失敗がとまりません。

投資家のバイオベンチャーへの視線も厳しさが増すものと思われます。

ワタクシも期待していただけに残念……。

 

どこか嫌な空気を吹き飛ばすような材料を出してくれないもんですかね。

それでは今日も最後までお読みいただきありがとうございました。

この記事を書いた人

コメント

コメント一覧 (2件)

  • yukiyukiさま
    お世話様になっております。
    先日yukiyukiさんのブログに出会いました。私定年して67才になりました。7・8年前からこの世界をかじり始めました。勉強不足ですがナノやメドレックス他の浮上に期待してる次第です。
    今更ですが、勉強させて頂きたいと思ってます。
    yukiyukiさまがこの世界で早く1本立ち出来るよう祈ってます。
    今後とも宜しくお願い致します。

    • 仁仁さま

      コメントありがとうございます!
      私はまだ4、5年前でございますので、青二才にもほどがあります。。
      それに全然儲けておりませんし。
      下手くそなブログですが、少しでも参考になりましたらこんなにうれしいことはございません。
      今後ともよろしくお願いいたします!

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