こんにちは。
いつもお世話になっております。
30歳を超えると物凄く風邪を引きやすくなりました。
で、一旦風邪にかかると治りも遅いんですよね。
薬を飲んでしまうと余計に治りが遅くなるなんてことも言われますが、かといって飲まないと辛すぎて日中仕事なんてしてらんないし。
ぼくの肝臓は悲鳴を上げ始めています。
その点、張り薬は魅力的。
肝臓さんにも優しいもんね。
というわけで、今日はなんでも張り薬にしちゃうバイオベンチャーのメドレックスさんを紹介します。
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香川のメドレックスってどんな会社?
メドレックスは香川にある小さなバイオベンチャーです。
創業者は松村眞良さん。
非上場ながら売上200億以上を上げている帝國製薬で、副社長まで務めた方です。
松村社長はまだ20代のときに、消炎鎮痛剤のパップ剤開発に成功し、帝國製薬を一躍世界トップのパップ剤製造企業に成長させました。
その後、野心家の松村社長は57歳で帝國製薬を退社。
自ら1000億の会社を作るぞー!と立ち上げたのがメドレックスです。
では、メドレックスがどういった基盤技術を持った創薬ベンチャーかと言いますと……。
当社では、イオン液体の特徴を利用した独自の経皮製剤技術ILTS®(Ionic Liquid Transdermal System)を用いることにより、従来の技術では経皮吸収させることが困難であった難溶性薬物や核酸・ペプチドといった高分子に至る様々な薬物の経皮浸透性を飛躍的に向上させることに成功しています。
つまりですね、これまではなかなか皮膚を通して身体の中に入っていってくれなかった高分子のお薬も、メドレックスのILTSって技術を使えば、ぐーんと浸透性が高まって経皮吸収しちゃうのです。
別にさぁ、わざわざ皮膚から取り入れなくても口から飲めばええやーん、って方!そうじゃないんですよ!
口から入れるとですね、ファストパスっていって肝臓で有効成分が分解されちゃうんです。
なもんでその肝臓での分解を考慮した量をワレワレハ飲んでいるわけなのですね。
つまりすんげー量を飲んで、その大部分が肝臓でぶっ壊されて、残ったカス(失礼)がお薬成分として効いてくれてるわけです。
肝臓さん大変。
さらに、肝臓に行く前に通る臓器にも負担がかかっちゃうよね。
はい胃腸です。胃腸にめっちゃ負担がかかるわけです。
痛み止めの薬を飲むときなんて、そんなわけで胃薬を一緒に飲んだりしますよね。
それだけ胃が荒れちゃうってこと。
これはよろしくないってことでメドレックスの技術なわけだ!
皮膚から浸透させれば直接脳にいっちゃうんで、体内に取り入れるお薬の量も少なくて済むし、身体にかかる負担も最小限に抑えられます。
さらに既に有効性と安全性が証明されている既存薬を貼り薬にするビジネスモデルは、全くの新薬を開発するよりもフツーに考えたら成功確率は高いよね。
どうですか?
メドレックスのILTS。これって結構、魅力的だと思いませんか?
メドレックスの製品が販売されれば、松村社長が言うように「市場を変える!」ことも決して夢物語ではないと思われます。
【メドレックスの概要】
会社名 | メドレックス |
所在地 | 香川県東かがわ市 |
設立年月日 | 2002年1月 |
主なパイプライン | チザニジンテープ剤 MRX-4TZT(痙性麻痺治療貼付剤) Cipla USAに開発・販売権を導出済み オキシコドンテープ剤 MRX-1OXT(中枢性鎮痛貼付剤) メマンチンテープ剤 MRX-7MLL(アルツハイマー貼付剤) 第一三共との共同開発品(適応症は非開示) 武田薬品への技術ライセンス(適応症は非開示) |
企業理念 | 経皮吸収技術を始めとする製剤技術をもって、画期的新薬を開発し、全世界の人々の健康とQOLの向上に貢献します |
【メドレックスの株価の推移】
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メドレックスの最重要パイプライン、エトリートの進捗状況は?
メドレックスも複数のパイプラインを持っていますが、一番進んでいるのがエトリートです。
これは痛み止めのエトドラクって薬をメドレックスの技術で貼り薬にしたもの。
アメリカではこのエトドラクがめっちゃ使われていて、胃をぶっ壊す人も多いのです。
なんと年間2万人が痛み止めの飲みすぎて亡くなっちゃってるそう。
そこでメドレックスはエトドラクを貼り薬にしてアメリカで売り出しちゃおーって目下頑張っているわけ。
そしてフェイズ3っていう最後の臨床試験で、最初は肩の痛みを対象に実施したところ有効性が認められました。
しかーし。フェイズ3の2本目の腰では残念ながら、細かく説明すると長くなるんですが、微妙な結果に……。
そこでFDAではメドレックスに追加の臨床試験を実施するように指示がありました。
仮に成功すればアメリカの中度から軽度の痛み止めの貼付剤の市場規模は1000億。
潜在市場も考慮すれば2000億から3000億。
そしてアメリカで上市済みの競合品は2品目でふたつともパップ剤です。
テープ剤であるエトリートは明らかに利便性の面で優れていますので、一気にこれらの市場を食っちゃう可能性も。
メドレックスは興和と販売提携していて、上市されれば興和の営業マンが売りまくる予定。
松村社長は販売ロイヤリティは二桁%と発言していました。
仮に1000億の20%もとっちゃったら。。。
200億のロイヤリティだぞ!!!!!
テンバーガーじゃすまねえだろうが!!!!!
はい捕らぬ狸です……。
とはいえワクワクしますね。
では成功するのか!
これはねー、もうやってみなきゃわかんないんですよ。。
お薬の臨床ってのは。
だってエトリートにしたところで、肩で有効性が出たのに、腰では微妙な結果になる世界ですからね。
だけど時価総額が他のバイオベンチャーに比べても全然安く、このエトリートの成功は全く織り込まれていない株価ですので、仮に成功すれば急騰するでしょう。
一方で、失敗しちゃえば、他のパイプラインは収益化にはまだまだ遠いですから、会社の存続自体が怪しくなることも考えられます。
*【追記】平成28年8月22日、エトリートの結果が出ました……。
>>>メドレックスがDOMS試験に失敗!株価の見通しは悲観的?
*以下、エトリート失敗後の動きについて順次追記していきます。
エトリート失敗……。
株価は大暴落。
一時は上場廃止まで懸念される事態に。
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こうなった以上、他のパイプラインで巻き返しを図るしかありません!
他のパイプラインが進展中!
エトリートの失敗により、メドレックスの経皮吸収技術まで疑問視される声もありましたが、ワタクシはそうは思っていません。
エトリートにしても、エトドラクの血中濃度を大きく高める結果は確認されていたからです。
事実、良い結果が出始めています。
MRX-4TZT 痙性麻痺治療貼付剤
神経の過度な興奮を鎮め、筋肉の痛み、こわばり、緊張を解消する薬、チザニジンをテープ剤にしたものです。
米国市場規模は約1200億円。
貼り薬のメリットを考えれば、この1200億の一定程度は食えると思います。
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さらにチザニジンテープは、インドのグローバル製薬会社「Cipla」のアメリカ子会社への導出にも成功!
「Cipla」もチザニジンテープに可能性を感じていなければお金を出して買うことはありませんので、今後の展開が大いに注目されます。
チザニジンテープの治験成功⇒導出成功の知らせは、エトリートの失敗で地獄を味わったメドレックスの復活を印象付けてくれました。
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MRX-1OXT 中枢性鎮痛貼付剤
強力な鎮痛薬であるオキシコドンをテープ剤にしたものです。
オキシコドンは年間2400億円売れています。
というのもこのオキシコドン。
日本では麻薬に指定されているなど、中毒性が非常に高い。
アメリカではこのオキシコドンの乱用・誤用が問題化されています。
その対策の一つとして考えられるのが、オキシコドンを「テープ剤」にしちゃえば良いんじゃん?というもの。
トランプ政権はこの問題解決に強い意欲を示していますので、メドレックスも「MRX-1OXT」が上市できれば大きな売上が期待できると自信を示しています。
こちらの進展にも期待です。
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メドレックスの業績の推移
メドレックスの過去の業績予想と実績の推移を下記に示しました。
2014年がとんでもない下方修正になっています。
これはエトリートの治験が失敗し、マイルストーン収入が得られなくなったため、です。
パイプラインの治験費用などがかさみ、大きな赤字が続いています。
パイプラインはいずれも開発初期段階ですので、上市までには時間が掛かると思われます。
ということで、安定収入を得るのは早くても数年先。
とはいえ、「MRX-1OXT」の大型導出などが成功できれば、株価は跳ね上がること間違いなし!
契約一時金などによってある程度の開発費は賄うことができれば、増資の希薄化リスクも抑えられます。
チザニジンやリドカインテープ剤の進展など期待できる材料も豊富。
個人的には、血中濃度が薬効に直結すると言われるパイプラインの治験デザインがどのような形になるのか大注目しています。
【追記】メドレックスが、ILTSとは別の経皮吸収製剤技術「NCTS」を活用した新たなパイプラインを第一三共と共同開発することを発表しました!!
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【追記】メドレックスが、マイクロニードル工場建設のために増資を発表しました!!
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【追記】メドレックスが経皮吸収技術を武田製薬に導出すると発表しました!
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*投資は自己責任・自己判断で!
ETOREAT2本目の進捗状況、ここでわかりますね。
https://clinicaltrials.gov/ct2/results?term=ETOREAT&Search=Search