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ヘリオスを紹介するぞ!加齢黄斑変性のiPSによる治療法実用化はいつ?

いつもお世話になっております。

yukiyukiでございます!

30歳半ばになって、色んな所に不調が来ております。

土日なんて、特に身体が動きません。

肺が痛くなったり、心臓が痛くなったり、背中がすぐに攣ってしまったり……。

あとあと、最近特に衰えを感じるのが視力。

これ、ヤバいですね。ピントが合い辛いし、小さい字も読み辛い。

こんなに早く老眼ってくるんだね。30半ばでこれだったら、50、60になったら、ワタクシの身体はどうなっちゃうんだ。

そもそも生きてるかどうかも怪しいぞ。

良いことあんまりない人生だったなぁ。

ミスチルの桜井さんが「良いこと49、やなこと51の比率」って歌ってますが、これって相当幸せな部類だろ。

やなこと85くらいじゃないか?

というわけで、筋トレを始めることにしました。

なぜなら、「筋トレが最強のソリューション」って本を読んだから。

面白いよなぁ、これ。

筋トレへのモチベーションが上がります。ヒョロガリのワタクシではありますが、ムキムキマッチョマンに変身してやるぞ。

 

さてさて、肉体及び精神的な問題は、筋トレで解決できるとして、目ですよ、目。

読書が好きだったのに、本当に読みづらいんだもん。そのせいで集中力も保てないし。

バイオベンチャー投資にしても、自分の身体の不調に対する治療薬を開発している会社には興味が持てます。

てなわけで、iPS関連銘柄のど真ん中で、日本の再生医療等製品の早期承認制度の成功の可否も握っている「ヘリオス」さんについて調べてみたぞ。

目次

ヘリオスさんってこんな会社。

チャート引用元:(株)ヘリオス【4593】:株式/株価 – Yahoo!ファイナンス

ヘリオスさんはiPSを用いた再生医療関連の医薬品開発を行う企業です。

社長は元眼科医の鍵本忠尚さん(ちなみにめちゃくちゃイケメン……ググってみてね)。

元眼科医といっても、実際に九大病院で眼科医として勤務したのは2年程度。

2005年に、若干、29歳の若さでバイオベンチャー企業(アキュメン)を立ち上げています。

取り組んだのは眼科手術用の染色剤の開発。

「BBG250」と名付けられたこの補助剤は、透明な網膜を青色に染めることで「患部の視認性を高めて、手術しやすくしちゃるぞ!」という医療機器です。

そして、会社立ち上げからわずか5年。

欧州での「BBG250」のCEマーク(安全だし、品質も良いんで、売っても良いぜってマーク)を取得し、上市を果たします。

もんのすごいスピード感だぜ。

使用した医師の2/3がリピート希望をするほど、意義のある製品となっています。

 

そして鍵本社長の次なる挑戦は、iPS。

理研の高橋政代さんから「iPS細胞を使った加齢黄斑変性の治療のための移植シートを開発してくれや!」って声を掛けられて、2011年の2月に現在の「ヘリオス」の前身となる会社が立ち上げられました。

髙橋さんも鍵本社長のあまりの決断の速さに驚いたそうです。

優柔不断さ世界ランカーという自負のあるワタクシから見ると、眩し過ぎる行動力。

実際に、そこからの展開も早い早い。

大日本住友製薬と共同研究の契約を締結。

2014年には大きなニュースになった、髙橋さんの世界初のiPS細胞を使った移植手術が実施されます。

2015年にはヘリオスがマザーズに上場。

これによって、手元資金も一気に増えました。

 

個人的に驚いたのは、2017年5月発表のニュース。

「BBG250」をデ・ウエスタンに売却したのです。

13億で安定した収益を得られる製品を手放して、再生医療の分野に限られた経営資源を集中投下する戦略を採用。

これは勝負に出ましたね。

日本の再生医療を強力に推し進めようとする「再生医療等製品の早期承認制度」も追い風にして、成長市場に全社で突撃しました。

17年2月には、目下カメラ事業が大不振で、経営改革が迫られているニコンと資本提携

ヘリオスが開発する製品の製造受託や画像評価をニコンに支援してもらうとともに、ニコンに株券を発行することで20億をゲット!

同時に野村證券にも第三者割当増資を行い、140億くらいの調達を見込んでいます。

会社としては、今後、研究開発体制の強化を図るべく、人員の増強も図るとのこと。

めちゃくちゃ積極的な姿勢が窺えます。

数年間は研究開発費の膨らみ等によって、事業費は年平均で40億程度はかかりそうですが、増資や借入によって手元資金は充実していますので、財務基盤にも問題はありません。

あとは注力している再生医療製品のパイプラインの進捗がどうなるか、だけです。

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ヘリオスのパイプラインはこんな感じ。

加齢黄斑変性治療法の開発

先に書いたiPSを用いた治療法です。

加齢黄斑変性とは、網膜の中心にある黄斑という組織に障害が生じる病気です。

目のアルツハイマーとも呼ばれ、ものが歪んで見えたり、見えにくくなったりしていき、最終的には失明に至る大変やっかいなもの。

視細胞に栄養を送るRPE細胞の機能が加齢によって低下することで、引き起こされるとされています。

加齢黄斑変性には2種類あります。

浸出型(ウェット型)と萎縮型(ドライ型)。

・浸出型は、

[voice icon=”https://yukiyuki13.net/wp-content/uploads/2017/05/cropped-logo.jpg” type=”l line”]「RPEが働かなくなって栄養が送れねー! やべーぞ、新しい血管を早急に作って栄養送るぞー!」
[/voice]

って、新しい血管ができるんですが、この血管が突貫工事で作られたものなんで、簡単に決壊しちゃってかえって視神経を傷つけてしまう症状。

 

もう一つ

・萎縮型は、

気付かないうちにじわりじわりとRPE細胞が老化していき、機能が低下し、それに伴って視神経の機能も失われるもの。

[voice icon=”https://yukiyuki13.net/wp-content/uploads/2017/05/cropped-logo.jpg” type=”l line”]「知らない内に目が栄養失調になっちゃってたよー!」[/voice]

ってなイメージです。

浸出型の場合は、申請血管を作るのを止めさせる治療薬(抗VEGF薬)が販売されていますが、これも完全なものではなく、多くは短期間に再発します。

薬価ベースで年間100万(17万×6回)を超える治療費がかかるのに、再発率も高いとなると、患者のニーズを満たせているとは言い難い。

そして、萎縮型には進行を止める治療薬もありません。

 

浸出型、萎縮型ともに根治できる治療法はないわけです。

 

全世界で1億3千万人もの患者さんがいると言われている加齢黄斑変性。

これまでも全世界で治療薬・治療法の開発が進められてきました。

記憶に新しいところでは「アキュセラ」。

「飲むサングラス」として大注目を集めた世界初の浸出型の治療薬開発が進められていましたが、臨床試験の結果、有効性は示されませんでした。

「飲むサングラス」の期待だけで、最大2800億もの時価総額を記録したアキュセラの株価は、失敗の報を受け大暴落しました。

何を言いたいのかというと、期待だけで2800億の会社になれるくらい、加齢黄斑変性の市場は大きくて、かつ新たな治療薬・治療方法が待ち望まれているということ。

そしてヘリオスさんは、この病気に対してiPSを活用して果敢に挑もうとしています。

2014年には理研の高橋さんが、iPS細胞からRPE細胞を作成し、世界で初めてウェット型の加齢黄斑変性患者に対して移植手術を行いました。

患者本人のiPS細胞を使い、培養してシート状に加工したもので、数千万円のコストがかかったといいます。

経過は良好ですが、さすがにこのままでは高コスト過ぎて商業化することは難しい。

そこでヘリオスでは他人の細胞から大量のRPE細胞を培養し、それを患部に注射するという、コストの大幅な削減が見込まれる治療法の開発を進めています。

2017年中に最初の治験を開始、さらに開発パートナーである大日本住友製薬は36億かけてiPS細胞の「細胞培養センター」を建設中。2018年3月には稼働が見込まれています。

臨床を進めると同時に、商業ベースに乗るように生産体制の整備も進める。

日本初の加齢黄斑変性の治療法が確立されれば、国が望んでいる再生医療の実用化による経済効果も大いに見込めることでしょう。

[voice icon=”https://yukiyuki13.net/wp-content/uploads/2017/05/cropped-logo.jpg” type=”l line”]「……でも、そんなこと言ってもお薬の実用化なんて10年くらいかかるんでしょ~」
[/voice]

って思ったら大間違い。

ヘリオスは2020年中の承認取得を目指しています。

これは日本政府が本気で世界に先駆けて画期的な再生医療品を上市させようという施策「早期承認制度」のため。

条件ならびに期限付きとはいえ、従来と比べてはるかに短期間で、新薬が世に出回ることを可能になりました。

この制度を活用し、ヘリオスは数年後の「夢の治療法」の実用化に取り組んでいるのです。

ちなみに浸出型の治療薬「抗VEGF薬」の市場規模は世界で8000億

「抗VEGF薬」完治させる薬ではないので、ヘリオスのiPSを活用した治療法が実用化されれば、かなりの部分が置き換わるのでは、と思われます。

また、萎縮型については治療薬が全くないので、ヘリオス独占!ってな状況が容易に想像できるわけで。

まだ始まったばかりで評価は難しいですが、個人的に「早期承認制度」の創設は安倍政権の大英断だと思っています。

もちろん、承認後の検証はきっびしく行うことは大前提ですが。

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脳梗塞治療薬の開発

ヘリオスは2016年にアメリカのアサーシス社さんから、幹細胞製品「MultiStem」を用いた日本での急性脳梗塞治療薬開発のライセンスを買い取りました。

金額は18億。

「MultiStem」を使って、「脳梗塞以外の治療薬も開発しても良いよ!」ってことになっていますが、メインは何といっても脳梗塞。

こちらも早期承認制度を活用して、2020年の上市を目指しています。

これまでの急性脳梗塞治療としては、薬で血栓を溶かしたり、ステントという金属の網目状のもので血管を広げて、血栓を回収する方法がありました。

ただ上記の治療法は、発症してから治療までの時間が数時間以内じゃないと予後が悪くなるという問題があり……。

ところが「MultiStem」を使った治療法では、36時間とか48時間以内でも、優れた回復効果を示す臨床データが取れています(アサーシスがやった国際臨床試験のフェイズ2)。

脳梗塞への国内年間医療費は1兆を超えているとのことであり、こちらも順調に上市されれば18億+段階に応じたマイルストーン18億なんて楽勝で回収できそう。

サンバイオが慢性脳梗塞治療薬で承認を得て、ヘリオスが急性脳梗塞治療薬で承認を得る、みたいな展開になればとても素晴らしいですね!

ヘリオスさんは肝臓まで作っちゃうぞ!

ヘリオスさんは横浜市立大学とiPS細胞からの臓器作成の共同研究を行っています。

なんかもうSFの世界なんですが、iPSから肝臓の基となる細胞を作製して、それをマウスの体内に移植。

すると、基細胞さんはマウスの体内でヒトの肝臓に成長したそうな。

ヤバいでしょ……。

ヘリオスは横浜市立大学から臓器原基作成に係る独占的な特許実施権許諾契約を締結を締結しており、同分野の実用化に向けても開発を進めています。

実用化されれば、これまで他人の肝臓を使っていた移植手術を、iPSから原基を作成してマウスの体内で育ててヒトに移植、みたいなことができちゃう。

にわかには信じがたいお話しですが、実際に起きていること。

こちらもコスト面などが課題ですが、既存のiPS培養技術の応用もできそうなので、なんとか実用化に繋げてほしいパイプラインです。

 

というわけで、冒頭に書いたように「BBG250」を売っぱらったんで、パイプラインは全て再生医療関係。

夢がありまくりの企業になっています。

上市品はまだありませんが、再生医療関連の国内トップ企業といえるでしょう。

 

まとめ

・とにもかくにも加齢黄斑変性治療法に大注目!

「BBG250」を売っぱらって経営資源を再生医療領域に特化したヘリオスさん。

ビッグパイプラインを抱えているので、時価総額はすでに600億超と高い評価を得ています。

加齢黄斑変性、もしくは脳梗塞の治療薬が承認を受ければ、楽勝で3000億くらいは突破しそう。

ただ、当然のことながら再生医療領域はまだまだリスクが高い分野。

有効性はもちろんのこと、安全性やコスト面など、課題は多いです。

そして、ヘリオスのパイプラインに問題がなかったとしても、いつか必ず「早期承認制度」で上市したけど、その後の調査で「やっぱり効果なかったわ」ってケースが出てきます。

そうなったときに、制度の見直しがかかることも、地味に懸念しております。

この制度が見直されれば、ヘリオスが計画しているパイプラインの上市時期も、数年単位で遅れちゃうことに。

というわけで、個人的にはガツンと勝負をかけるよりも、余力で持って「夢」を持つのに良い銘柄かなぁと考えているんですが……。

加齢黄斑変性というとどうしても「アキュセラショック」が思い出されますがどうなりますやら。。

がんばれ、ヘリオス!

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