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3DMの歯槽骨再建材「TDM-711」が承認された場合の売上を考えるぞ!

こんばんは!

いつもお世話になっております。

yukiyukiでございます!

あいも変わらず3Dマトリックスさんは横横が続いていますね。

止血材の韓国承認も後出血予防材のCEマーク取得の情報もまーったく出てきません。

多分、追加データを求められてるんじゃないでしょうか。

日本の止血材みたいに、来月の決算発表のときに「一旦取り下げまっせ発表」が出る可能性も十分あると思います。

さてさて、止血材ばっかりに目を奪われがちですが、次に重要なパイプラインとして歯槽骨再建材(TDM-711)があります。

今日はこの歯槽骨再建材について考えてみるぞ!

目次

歯槽骨再建材とは!

歯槽骨とは歯の土台となる骨です。

子供の頃、頭の悪かったワタクシは、歯って歯茎に刺さってるもんだと思ってました。

当然、そんなことはなく、歯は顎の骨に刺さっていて、骨の上に歯茎が覆われているみたいなイメージです。

で、虫歯なんかで歯が抜けちゃったときに、日本でもメジャーな治療法になってきたのがインプラント。

これは歯槽骨に金属のボルトを突き刺して、その上に人口の歯を被せるものです。

言葉だけで聞くとめちゃくちゃ痛そうなんですが、歯槽骨さえしっかりしていれば自分の歯と変わらない感覚で物を食べられますし、見た目的にも良いしで、メリットもたくさんあります。

(デメリットも多々聞かれますが、ワタクシは専門じゃないのでここでは割愛)

 

そんなインプラント治療。

誰でも受けられるわけではなく、歯槽骨がしっかりしていないとボルトを打ち込めません。

歯周病で骨が溶けてしまっていると、入れ歯か差し歯しか選択肢はなくなります。

インプラントを希望する患者のうち、10~15%は歯槽骨が不足しているそう。

 

とはいえ、入れ歯は入れ歯で不都合が大きいので、

[voice icon=”https://yukiyuki13.net/wp-content/uploads/2017/05/cropped-logo.jpg” type=”l line”]「なんとかしてインプラントを受けたいよー!」[/voice]

ってワタクシみたいなワガママな人は、まず歯槽骨を再建させる必要があるわけです。

 

 

歯槽骨を再建させる治療法はいくつかあります。

豚さんの歯胚組織から採取したたんぱく質を使って再生させる方法であったり、死体から採取した骨を乾燥させて歯槽骨に吸収させ、新たな骨に置換させる方法だったり。

だけど↑の処置ってなんか怖いっすよね……。熱処理が施されているので感染リスクもほとんどないとはいえ、なんとなく印象的に。

一方で3Dマトリックさんが開発した歯槽骨再建材「TDM-711(puramatrix)」はアミノ酸が原料の人工合成製品。

安全だし、低コストだし、使用に抵抗感もないし、でメリットがたくさんあります。

というわけで、こんな製品があれば結構売れるんじゃね?ってことで、マトちゃんはTDM-711をインプラント治療が主流のアメリカでの販売を目指し、現在2本目の臨床試験中。

2017年の夏頃に結果が判明します。

良い結果であれば、FDAに製造販売承認申請を行い、さらに販売パートナーの探索を行う計画です。

販売パートナー契約により、2018年4月期中に見込んでいる契約一時金は約5.5億。

【追記】2017年6月14日に発表された新中期経営計画では、契約一時金が入るのは2019年4月期に遅延となりました。
溜息しか出ないぜ! それにこの計画だって達成できるかどうかは全然わかりません。

[kanren postid=”3615″]

今のマトちゃんにとっては大きな金額となっております。

 

ちなみに、1本目の治験(15例)は下記の通り。

脱灰凍結乾燥骨(DFDBA)とpuramatrix(TDM-711)との歯槽骨の再建の比較試験です。

出典:3Dマトリックス2014年4月期決算説明資料より

 

TDM-711のほうが、10%ほど再生していることが分かります。

[voice icon=”https://yukiyuki13.net/wp-content/uploads/2017/05/cropped-logo.jpg” type=”l line”]「よっしゃー成功したでー!」[/voice]

 

ってことで、現在、2本目の治験中です。

春頃に終了して、夏に結果発表とのことなんで、もう終わってるかもしれません。

ちなみに当初はこの1本の治験で承認申請を行い、2015年4月期に販売を行う予定でしたが、FDAは認めず。

追加治験を求められ、現在に至るという感じ。

1本目で結果出てんだから認めてくれよって不満はありますが、FDAも1本目の結果については一定の評価をしているのか、今回の2本目(12例)は条件的には緩いです。

1本目はDFDBAとの比較試験だったのが、2本目はTDM-711の単独使用で良いよ!ってこと。

TDM-711でインプラント治療に足り得る歯槽骨再建がなされればOKで、既存製品以上の効果を出せって治験ではありません。

 

これで成功しなけりゃヤバいだろ。

 

骨の再生ですから、痛み止めの治験みたいにプラセボが強く出て、薬の有意差が出ないとかいう不安もない。

症例的にも1本目よりも少ないし、基本的には「承認させるための念のため試験」的な意味合いが強く、成功確率も高いと思ってるんですが……いかんせんマトちゃんのことですからね。

 

成功する前提で、どれくらい売れるか考えてみる!

米国では年間190万件程度の歯槽骨再建手術が行われており、市場規模は200億程度。

内、約120万件が豚とか他人の骨とかの足場材を使った再生療法です。

上場当初のレポートなんかでは、TDM-711のピーク時売上見込みとして、40億とか50億なんて数字が出ていましたが、もう騙されないよー。

こんなに売れるわけありません。

止血材の例もあるんで、もっと保守的に見ておく必要があります。

 

TDM-711が競争相手となりそうなのが、エムドゲイン(豚の骨)やDFDBA(他人の骨)を足場材とした治療法。

これが190万件の内、120万件とのこと。

エムドゲインですが日本における値段を調べてみると、

 

0.15ml×5本のゲルで4.65万円。

1本0.3mlのゲル2万円

0.7mlのゲルが2.6万円

 

という数字が出てきました。

【参考】エムドゲインカタログ

 

多分、アメリカでも大変わりしないと思います。

また、ゲルの量については、歯槽骨の欠損状態によって使い分けられていると考えます。

ここでは真ん中の0.3mlの2万円を基準にします。

少なくとも、TDM-711がエムドゲインよりも値段が高くなるってことは考えにくいでしょう。

 

で、マトちゃんのことだから、保守的に見て120万件の内、5%のシェアを取れると仮定すると……。

6万件×2万円=12億です。

 

おー。結構、デカいじゃないか。

 

10%取れるとすれば24億

うん。ザックリにもほどがある試算ですが、悪くないですね。

 

ちなみにエムドゲインの効果については、ネットで色々見てみたんですが、効果があるという意見もあれば、大してないという意見もあります。

この論文によれば1mm程度の再生のよう。

【参考】Enamel matrix derivative (Emdogain) for periodontal tissue regeneration in intrabony defects.

さらに、エムドロゲンはやはり動物由来の製品のため、アレルギーの発症リスクなどの懸念から、メーカーでも1人1回までの使用としていますので、骨の再生効果によってはTDM-711の競争力はありそうなんですが、どうなりますやら。

仮に、大きな再生効果が得られ、足場材による市場の3割が取れるとなれば、72億……。

まぁここまで来ると、ちょっと嘘くささが出てきますので、10~20億程度と見ておきます。

粗利で7億~14億

今のマトちゃんにしては決してバカにできない数字です。

エムドゲインでダメだった人が、TDM-711を使うってパターンもあるでしょうし、そこそこ売れる気もするんですが。

【追記】
と、思ったら日本で画期的な歯槽骨再建材が承認、さらに保険適用されました。その名も「リグロス」。平均すると歯槽骨の37.1%が再建したという画期的な製品。TDM-711の再建率を示した上記のグラフをみると35%程度の再建率でしたからやや分が悪い。さらにリグロスは遺伝子組換え技術により製造したヒト型たん白質製剤なので、感染リスクもなし!
リグロスを販売する科研は、日本から世界に展開していきたいと考えていますので、いずれTDM-711の競合薬となっていくでしょう。
……そもそもTDM-711が承認されなきゃ話になんないんですけどね……。

【さらに追記】
TDM-711の2回目の治験結果が出ました。約50%の再建率と非常に高い効果! あとはこの数字をFDAがどう評価するのか注目です!
ちなみに、てっきりFDAと事前協議の上、2回目のスタディの内容(治験数とか、単独試験だとか)を決めたと思っていましたが、3Dマトリックスは決算説明会資料に「有意差検定は行っていない」との文言をあえて追記してきました。
この文字が意味するところは果たして……? 一時金の取得見込みを一年遅らせてきたことと関係はあるのか!?

まとめ

・TDM-711の治験は条件面では3D有利!

・販売されれば20億くらいはいくんじゃないか?

・でも失敗すれば……↓

 

というわけで、もうすぐ出るTDM-711の結果が非常に楽しみです。

さすがに既存薬との比較じゃなくて、プラセボコントロール(なんもしない場合)との対決ならTDM-711は勝てると思うんだけどなぁ……。

っていうか、勝てなきゃヤバいっす。

[voice icon=”https://yukiyuki13.net/wp-content/uploads/2017/05/cropped-logo.jpg” type=”l line”]「なーにが自己組織化ペプチドだ( ノД`)シクシク…」[/voice]

ってことになりますからね。

 

上場時、高村前社長は、歯槽骨はあくまでも最初の一歩で、これが成功すれば他の「骨」の再生に繋げていくと話していました。

これが失敗すれば、その展開もすべて頓挫することになります。

そう考えれば、治験結果はめちゃくちゃ重要!

 

最悪の流れとしては、6月に出すであろう保守的な計画発表を行い、その数か月後にTDM-711 の失敗を発表。

契約一時金予定額5.5億を取り消しまーすってことで、「保守的な計画」を短期間で修正ってパターン。

 

わ、笑えねー。

 

けど、マトちゃんの場合は普通にあり得そうだから怖いんだよなぁ。

それに、追加試験を求められた場合、歯槽骨再建材の治験には骨の再生を待つ期間がかかりますので、上市は大幅に遅れることになります。

もちろん、開発断念の可能性も。

 

5.5億がなくなって、年単位で上市が遅れたり開発中止になれば、今回の増資金額はあっという間に消えていきます

仮に止血材が2~3年くらいかけて収益化の兆しが見えてきたところで、再度の増資は避けられないのは確実。

伸びは小さいけど、売上が伸びているから安心、という意見もありますが、カメさんみたいに売上が伸びていったところで、数年おきに増資を繰り返していれば希薄化でいつになっても株価は上がらないです。

10年20年、持つ気なら別だけどさ……。

というわけで、止血材の売上拡大とTDM-711の治験成功→承認販売と、両輪で収益化が図られますように

まずは夏の発表を大いに期待しております!

本当に応援してるんだからさ。。

 

それにしても、普通はバイオって治験結果期待で上がるもんですが、マトちゃんの場合はほんつぉーに無反応ですね。

何回も信頼を失った会社ってこんなもんだよなぁ。

だってワタクシ自身、いやーな予感がプンプンするんだもん。

この予感が杞憂に終わるますようにと祈っておりますが、どうなりますやら。

最後に株式投資は現物・余剰資金で行うこと!

yukiyukiさんとの約束だぞ!

この記事を書いた人

コメント

コメント一覧 (6件)

  • yukiyukiさん、こんばんは。
    3DMの歯槽骨再建材(TDM-711)のことがよくわかりました。
    有難うございます。
    歯槽骨再建材のFDA承認が、3DMの資金繰りに大きな影響を与えるんですね。
    何となく成功しそう(かな?)
    現物・余剰資金で、3DMを100株追加購入したくなりました。

    それにしても3DMの株価は、700円から上にも下にも行きませんねえ。(私としては安心です。)

    • もぐらさん、いつもありがとうございます!
      歯槽骨再建材は普通に考えれば成功の可能性は高いと考えているんですが、治験ばっかりは終わってみないと分からないので、失敗も普通にあり得ると思います。
      TDM-711自体には再生力はあったとしても、今回は12症例と少ないですし、たまたま再生力が弱い患者さんが集まるってことも無きにしも非ずですし。

      また、成功したとしても、販売パートナー契約一時金の7億はあくまでも3Dが計画してるに過ぎない数字。
      個人的には、うまく契約が決まったとしても、そんなに貰えない気がします。

      いずれにしても、治験が成功しないことには始まらないので、ぜひとも良好な結果が出ることを期待しております!
      今後ともよろしくお願いいたします!

  • 711のことがよくわかりました。よく勉強されてて敬服します。
    まだまだ1万株もったまま放置プレイしてます。最悪期は脱したか?!増資も早々終わり、あと2年は少なくとも会社も存続できそう。
    ところで、そうか、、もうすぐ、夏ですね。忘れてましたが711発表ですね。いい結果がでればいよいよ4桁回復ですかね?
    どうかうまくいきますように。。3DMの株でいつか最高に幸せになります!(笑)

    • コメントありがとうございます!!
      1万株はすごいですねー。
      後出血予防材とか韓国、そして何より止血材の売上が不透明なんで、まだまだどん底ともいえない気がしています。
      そして、今んところ、711が成功しても止血材の売上が伸びてこなければ4桁回復は難しいんじゃないですかねぇ……。
      って悪いことばっかり考えてしまいますが、幸せになりたいさんが、そして僕も幸せになれることを祈っております笑

      • yukiyukiさんのそういう慎重なところは素晴らしいですね。私は何か楽観的というか、なんとかなるやろーみたいな。真逆です。
        また何か情報や分析がありましたらよろしくお願いします。ブログを楽しみにしてます。それでは!

        • ありがとうございます!
          いやいや、「なんとなるやろー」こそ本当に素晴らしいと思います!
          追いつめられたときこそ、なんとかなるやろ精神は最強です。
          株とは関係なく、去年仕事で精神がボロボロだったときに悟りました。笑

          こちらこそ今後ともよろしくお願いいたします!

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