こんにちは。
いつもお世話になっております。
どうもワタクシです。
ソレイジアファーマさんがすんごいことになっていますね!
時価総額は本日500億を突破。
まさにビビりには手を出せない水準に突入しています。
そんなソレイジアファーマさんとは、どんな企業なんでしょうか。
まずはお薬ができるまでをおさらい。
一般的な創薬ベンチャーでは、まずこいつは薬の候補になりえそうだぞ!っていう候補物質を探索します。
めっちゃくちゃたくさんある候補物質の中から、一番可能性が高そうな物質を絞り込む作業が第一弾。
それから、その候補物質に実際のところ薬効があるのか、また安全面でも問題がないのか、等といったことをネズミさんとかお犬さんといった動物実験によって検証をします。
これは前臨床試験と呼ばれています。
前臨床試験でイケそうだ!ってなると、ようやく人間に投与してみる「臨床試験」の段階へ。
臨床試験も
・少数の健康な人に投与をするフェイズ1
・少数の対象患者に投与をするフェイズ2
・多数の対象患者に投与をするフェイズ3
と三段階もクリアーしないといけません。
途中で安全性に問題が出たり、薬効が示されたなかったりすると、今までの努力はパー。
今までかけた開発費もパー。
時間もパー。
ってな結果に。
しかも恐ろしいのは、こんな失敗は創薬企業にしたら、日常茶飯事なんだから堪らない。
例え全ての段階がスムーズにいったとしても、お薬の開発を始めてから実際に販売されるまでには10年以上の歳月がかかることがザラです。
改めて考えてみても、めちゃくちゃリスクが高いよなぁ。
ですので、一般的に創薬ベンチャーは化合物質の探索から、前臨床、そしてフェイズ1くらいまでを自分たちでやって、うまくいけばその結果をもとに、その後の開発権を製薬企業等に売っちゃいます。
大規模な治験には膨大なお金もかかるので、製薬企業とリスクを分け合うイメージです。
ソレイジアのビジネスモデルはちょっと違う!
ソレイジアは、上記の開発フローの中流部分だけをやる感じ。
具体的に言うと、世界中の創薬ベンチャーから、基礎研究や前臨床試験、または初期の臨床試験(フェイズ1、2)が終わった有望な新薬候補品の権利を買い取って(導入)、ソレイジアでその後の臨床試験を実施するのです。
当然のことながら、開発初期段階をクリアした候補品を買い取るわけですので、創薬を一からやるよりは成功確率は格段に高まります。
シンバイオ製薬さんと似たようなビジネスモデルですね。
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ソレイジアは、エリアを絞って自ら上市した薬の販売を行っていくことで売上を上げていく「自販モデル」と、販売権は製薬企業などに再度導出を行って、契約一時金収入や、売上の一定割合をもらうロイヤリティ収入を得ていく「導出モデル」の両輪で2019年の黒字化を目指していくとしています。
ソレイジアさんのパイプラインの状況は!
ソレイジアがターゲットとする疾患はズバリ「がん」。
「がん」そのものの治療薬に加えて、副作用を抑える薬など、幅広く「がん領域」を対象とした医薬品の開発に取り組んでいます。
パイプラインは以下の3つです。
・SPー01
抗がん剤投与による副作用である悪心・嘔吐を抑えるお薬です。
おう吐恐怖症を持っているワタクシにとっては大変ありがたい。
このお薬の特徴としては、経皮吸収製剤、つまりは貼り薬であること。
制吐作用を有するグラニセトロンを持続的が放出され、ペタって貼っておけば5日間効果が持続します。
気持ち悪さが半端ないときは、経口剤の場合は難儀しますからね。
オエッてなっちゃうんで薬自体が飲めない。
なもんで貼り薬は一定のニーズもあるかと思います。
SP-01は現在、中国に承認申請中。2017年中の承認を見込んでいます。
アメリカやイギリス等のヨーロッパでは既に販売されているって実績は心強い。
しかし、疑問も。
中国での同領域の市場規模は750億程度。
会社はこのうちの1/3を取りたいとしています。
北京市、上海市、広州市の主要都市では自販し、その他の都市では導出モデルにより販売拡大に繋げていく計画なんです。
自販による利益率や、導出モデルによるロイヤリティ率が分かりませんので、会社業績への寄与がどの程度あるかはちょっと不明確。
それと、ある程度ニーズはあるでしょうが、さすがに1/3までは取れるかなぁ?という疑問は相当に残るわけで。
バイオベンチャーが出してくるこういった計画値は、そーせいのウルティブロや3Dマトリックスのpurastatの件もあるので、相当割り引いて考える必要があると思っているのですよ……。
【2018年7月24日追記】
SP-01が中国の医薬品審査評価センター(CDE)から評価完了の通知を受け、中国国家医薬品監督管理局(CNDA)へ承認上程されるとの発表がありました!
今後の中国承認が見込まれます!
・SPー02
再発又は難治性の末梢性T細胞リンパ腫(PTCL)患者への治療薬です。
日本や韓国、台湾等でフェイズ2試験を国際共同治験の形で実施中。
末梢性T細胞リンパ腫は標準治療が確立されていない疾患のため、上市されれば安定的な売上が得られそう。
アメリカ、ヨーロッパでは税制上の優遇措置などが得られるオーファンフォンドラック(希少疾病用医薬品)の指定を受けています。
アメリカではSP-02の注射剤、SP-02Lのフェイズ2にも成功。
早期に最終的な臨床試験に進むことが期待されています。
期待値の高いパイプラインといえますが、末梢性T細胞リンパ腫の患者数自体がそれほど多くない(患者数は4000名)ですので、これが上市すれば経営状況が一変するものでもないかと。
SP-03
最後にSP-03です。
こちらも面白い開発品。
がん治療によって生じる口内炎の痛みを緩和する口腔用液材です。
3Dマトリックスホルダーさんにはお馴染みの「材」の文字からも分かるようにお薬ではなくて、医療機器に該当します。
こちらをクチュクチュしますと、液材が口腔内の粘膜を保護してくれて、8時間くらい痛みを和らげてくれるもの。
欧州、アメリカではすでに販売されている製品で、ソレイジアは日本・中国で現在承認申請を行っています。
2017年中の承認を計画中。
SP-01と同様、この製品の承認可能性も高いとみています。
なぜなら製品の「革新性」ってあまりないから。
製品の必要性がないわけでは決してなくて、このような製品は類似製品がたくさん出ているから。
バンソーコーっていったら言い過ぎかもしれないけど、今までなかった「画期的な製品!」ってわけじゃない。
事実、欧州ではクラス1の医療機器、米国では後発医療機器510kに指定されています。
クラス1とか510kは一番低リスクの製品。
アメリカではヒトを対象にした臨床試験の必要性もありません。
市販されている製品と同等の有効性と安全性を示せば承認取れちゃいます。
会社は、口内炎はがんの放射線治療ではほぼ100%、抗がん剤投与でも30~40%口内炎が発症(患者数は70万人)するとされており、医療現場からのニーズも高いと言われています。
実際そうだと思います。
体調を崩すとすぐに口内炎ができてしまうワタクシにとっても興味深い製品だ。
ただ、これもそこまで売れるか?っていったら、口内炎用の薬・製品なんてたくさんありそうだし。
【追記】
2017年7月6日、SP-03が無事国内承認をゲットしました!
さらに2018年5月16日、国内販売開始の発表。国内独占販売権導出先であるMeiji Seika ファルマさんが販売していきます。
今後の売れ行きが注目されます!!
【追記(新規パイプライン)】SP-04
2017年11月20日、ソレイジアは新規パイプラインSP-04の導入を発表しました。
SP-04は、がん化学療法に伴う末梢神経障害を適応とするお薬で、スウェーデンのPled社が「PledOx®」の商標名で開発を進めています。
ソレイジアはSP-04の、日本、中国、韓国、台湾、香港及びマカオでの開発事業化の独占的権利を契約一時金を含む総額マイルストーン93億円で購入しました。
SP-04は、欧米でのフェイズ2試験、米国での日本人を含むフェイズ1試験をクリアしており、今後はPled社が主導となって国際共同臨床試験を実施していくとのこと。
抗がん剤治療を受けた患者さんの多くは「末梢神経障害」が生じ、手足の異常感覚とか、しびれ、感覚低下が発生するとされています。
SP-04はこの末梢神経障害の副作用を軽減するお薬として期待されています。
がん化学療法副作用としての末梢神経障害を適応とするお薬で承認を受けているものはなく、これが上市できれば相応のニーズが見込まれます。
ただし市場規模などが不明確なところもあり、93億の高額なマイルストーンに見合うものかどうかは今後の成り行きを見守る必要がありそうです。
なお、SP-04の開発費ですが、上場時に調達した資金に加えて、新たにみずほ銀行と三井住友銀行から計26億円の当座貸越契約(26億の範囲内なら、いつでも借りられるし、返せるよっていうやつ)を結んで充当していくとのこと。
銀行にしても商社にしてもソレイジアさんへの評価はすごく高いよなあ。
今後の株価は?
導入したパイプラインは順調に開発が進んでいますし、導入品の目の付け所も面白いと思います。
自社で基礎研究は行わず、有望な候補物質の導入するというめずらしいビジネスモデルのため、比較的研究開発費についても抑えられている印象。
会社が計画している2019年の黒字化、そしてそれ以降の売上が順調に拡大していくかというと判断が難しい。
少なくとも素人には無理ですね。
ただ、SP-02、SP-03についてはそれほど市場規模が大きくないので、すべてはSP-01にかかっていると思います。
SP-01が会社の計画通りに市場を取っていけるか。
ちなみにSancusoという製品名ですでに販売されている欧米では、日経新聞によると売上は薬価ベースで100億程度とのこと。
かなりテンションが落ちる数字です。。。
欧米で100億しか売れてないのに、ピーク時とはいえ中国で250億も売れるかな……。
個人的にはかなり難しい気がする。
決してニーズがないわけじゃないんだけど、なかなかこれだけ売れるイメージが持てない。
欧米以上に中国でSPー01が浸透する根拠の一部として考えられている、
「欧米人より体毛が薄い中国人は、貼り薬を使うだろーよ」
「中国は大都市の一部を除いて受付数時間待ちとかザラなんで、5日間も効果が持続するSP-01のニーズは高いだろーよ」
に納得できるかが、株を買うかどうかの選択基準になるのかもしれません。
市場の1/3ゲット……本当にできればスゴイですよね。
2019年時の売上をいくらと想定しているのか、自販はどれだけで、導出のロイヤルティ率がいくらか、と細かいことが不明なので、なんとも判断はしづらいですが、少なくとも現在の時価総額500億ってのは怖いなぁ。
かなり過熱している感はありますね。
まとめ
・リスクを抑えたビジネスモデル!
・黒字化予想は2019年だけど、達成できるかはまったくわからん!
・時価総額500億は高くないか!?
今んところそんな感じ。
実際に目利き力はある会社だと思うし、今後に期待できる会社であることは間違いないと思います。
それでも、現在の時価総額が妥当かどうかは判断が分かれそう……。
ちなみにSP-01は2014年6月に申請をして、まだ承認が下りていません。
やわやわ3年になりそうで、UMNや3Dマトリックスの日本での申請取り下げ暴落を見てきた身としては強いリスクを感じていましたが、申請をして実際に審査が開始されたのは2016年の10月だそう。
その間、なにしてたんだよ!って話ですが、中国はジェネリックを含めて大量のお薬の承認申請が来ていて、審査当局の体制が追い付いていないらしいです。
ってことで、これはまぁ納得しました。
【繰り返し追記】ソレイジアさんの言う通り、SP-01はちゃんと承認されそう!
個人的には現時点では500億の時価総額は明らかにやりすぎに感じますので、手は出せませんが、今後の勉強のためにもソレイジアの株価の行方については注目してみていきたいと思っています。
やっぱり治験結果期待とか、承認期待とか、バイオ株はかなり期待先行で動きますね。
これは今後の投資にとても参考になりそうです。
がんばれソレイジアファーマさん!
ちなみにバイオ株は現物・余剰資金での投資を心からおススメするぞ。
それでは今日も最後までお読みいただきありがとうございました_(._.)_
こんばんは!
いつもありがとうございます。
時価総額については同感です(≧∀≦)
かなり高い❗️
だがgniがやっちまいました(T . T)
買値はmsワラントの下限以下で一部は今日運良く逃げましたが。春なのに冬眠するしかないようです。お持ちでないなら下限価格付近はおすすめです(笑)