いつもお世話になっております!
半年前に誰も予想していなかった黒字中期経営計画を発表したセルシードさん。
しかし。
なんせバイオベンチャーの中計です。
3〇マトさんやカ〇オムをはじめとする多くの先人たちの努力のおかげで、「バイオの中計は絵に描いた餅」説は確固たる地位を築いてきました。
当初は市場も半信半疑だったよう。
当日のPTSでもストップ高に売りが並んでいましたが、誰も買っていませんでした。
そこでぼくがすかさずイナゴっぷりを炸裂させてババっと買ったところ、短期で3倍までいってくれて利確。
そのお金でメドレックスさんをたくさん買えたんだから、ありがたいというべきなのか、なんなのか。
*中計発表時に書いた記事です。
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いずれにしても、中計発表からしばらくは「激アマはちみつ入れ過ぎカレー並中計だ」って批判も多かった。
そして先日、上半期の決算が発表されましたが、いやいや実に順調に進展してるじゃないですか!
セルシードが初の黒字化へ向けて上半期は好発進!
下記が気になっていた初の黒字化計画1年目の上半期の成績です。
出典:2018年12月期第2四半期決算説明資料
経費の期ズレはどうでも良いととして、売上ですね。
期初予想を上回る数字をあげてきました。
スバらしい。
今期の売上の大部分は、セルシードが台湾の提携先であるMetaTechに食道再生上皮シートと軟骨再生シートの開発・製造データを提供する対価として得る「開発サポート料」と、二つのパイプラインの開発進捗に応じて支払われる「マイルストーン」によるものです。
で、売上の金額が当初予想よりも増えているということは、MetaTech社の開発意欲が旺盛で、データの提供がセルシードが考えていた以上に早く進んでいるということ。
少なくとも、今期のセルシードの中計が単なる「ブルーハワイに練乳フル絞り」並の激アマではなかったことが完全に証明されたと思っています。
いや、当たり前っちゃ当たり前なんだけど、ほんとバイオの中計ってどこかの会社のせいで信用されてないんだもんね……。
ちなみにぼくの豊富なバイオベンチャー豆知識によると、セルシードのせつ子社長と、メドレックスの松村会長は、説明会とかで自分の名前を言うとき必ずフルネームで名乗るんだよね。
せつ子社長の理由は分からないけど、松村会長は「親から貰った名前やからね。とても良い名前やと思ってます」。
キミたちの今後の投資にとって超参考になるだろう。
セルシードの今後の想定されるイベント!
導出してからのMetaTech社の動きを見るに、もうこのまま治験まで突っ切っていくものと思われます。
大変心強い。
今後の大きなイベントとしては下記でしょうか。
- 日本での食道再生上皮シートの承認!
・2018年下期に治験成功
・2019年上期に承認申請
・2019年下期に承認取得
スウェーデンでの臨床成績もあるし、駆け審査指定も受けているので、スピーディに承認までゲットできる可能性は高いと思います。
市場規模も急拡大していますが、ただ自分の細胞を使って培養するところから始めないといけない製品なので、薬価など不透明(バカ高い?)なところもあり、承認されてからどの程度売れるのかと言ったらよく分かりません……。
ただ何といっても再生医療ですし、アナウンス効果は抜群。
株価への影響は大きそうです。
- 台湾での食道再生上皮シートの開発進展
・2018年中の治験届の提出
今期の黒字を達成するために必須のマイルストーン。
これもMetaTechの開発意欲の高さからスムーズに行くと思っています。
ただ、せつ子社長は「特に4Qに大きく増収になる見込み」と話していますので、数か月遅れることは当たり前のバイオにとって、来期にズレ込む可能性は留意しておく必要があります。
来期黒字化が達成できなければ上場廃止基準に引っかかってきますので、安全のために今期2018年に無理くりにでも黒字にしてきそうなんですが、どうなりますか……。
- 日本での軟骨再生シートの開発進展
・自己細胞による再生シートの「先進医療」申請
・同種(他人)細胞による再生シートの治験
市場規模1兆円とも言われるこの分野。
「先進医療」で使用されるシートの有償提供などによって、こちらも収益化が見えてきたところです。
ただし先進医療はそれこそ限られた人しか受けられないので、あまり大きな売上は期待しにくいかと。
効果はカナーリ期待できそうなので、本格的に売上に貢献していくためには同種細胞によるシートの進展が必須になります。
2019年まで東海大学での臨床研究を続け、2020年頃に企業治験を開始する予定。
「再生医療」、「軟骨再生」、「1兆円市場」とこちらもアナウンス効果は抜群です。
- 台湾での軟骨再生シートの開発進展
先に書いた通り、台湾でもMetaTechは食道再生上皮シートの開発を先行して進めている模様。
ただし2018年9月に台湾版の先進医療制度が施行される予定だそうで、これに軟骨再生シートが含まれれば開発が加速することが期待されます。
- 世界展開に向けた事業提携の推進
台湾でのMetaTechに続くエリア・企業との提携先を探しているセルシード。
また新たな提携が出来れば経営の安定性も高まることでしょう。
特に来期以降ですよねー。
中計発表時は年1件程度の提携先の目標としていました。
今期の黒字化の確度は高いとしても、来期以降に計画している売上は、この提携先からのフィーをどの程度見込んでいるのか。
来期の2019年、セルシードは9億8000万円の売上を再生医療シート関係であげるとしています。
ただし、2019年中に、日本では食道再生上皮シートの売上はまだ経たないだろうし、軟骨シートの再生医療への有償提供にしても大きな金額にはならないと思います。
MetaTechへの開発サポート・マイルストーンについても、今期中に10億入るとすれば、残りは2億5000万。
新たな技術導出が無ければ、来期は大幅下方修正のリスクもなきにしもあらず。
マッチングイベントには積極的に参加をし、企業との面談を進めているとのことなので今期中や来期の頭くらいに良い話が出てくれば株価も大きく反応すると思いますが、逆に出てこなければ、ちょっと怖い感じですね。
投資は食道再生上皮シートなどのイベントと、新たな導出の動きを見ながら探っていく必要がありそうです。
まとめ
・セルシードが黒字化に向けて爆進中!
まぁ年1件程度の導出っていうところが不透明ではありますが、こればっかりは投資家には読めないところ。
少なくとも表に出ているパイプラインの進展については、非常に順調なので安心しました。
ぜひ今期中に黒字化を果たして、バイオの「計画」の信頼性を高めてほしいと思います。
頑張れ、セルシード!
*投資は自己責任・余剰資金で。
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