いつもお世話になっております!
総理辞任で株式市場も混乱している中、ぼくは空気を読まず、誰も興味のない旬が過ぎたシンバイオのことを書いておこうと思います。
今年に入って、これっぽっちも良いところのないシンバイオさんです。
先日、待ち焦がれたリゴセルチブのフェイズ3が結果が出ました!
直近の決算説明会でも社長が、「結果が予定よりも遅れているのはむしろ良い兆候」と言っていたリゴセルチブ。
はい、フラグでしたー。
リゴセルチブ治験、惨敗!
気持ちいいくらいのスカッと「失敗!」
これで今期の2大カタリストであった90億円賠償金と、リゴセルチブのフェイズ3はどちらも大コケという結果になりました。
コケちゃったのは「再発・難治性高リスクの骨髄異形成症候群」の治療薬候補の注射剤です。
一度3相に失敗し、対照群を絞り込んで再チャレンジしたもの。
途中、当初の予定から組み入れ数を拡大したこともあり、株主はキリンみたいに首を長くして待っていましたが報われませんでした。
具体的な結果としては、治験の主要評価項目である全生存期間について、リゴセルチブ静注群は6.4ヵ月、PC群(リゴセルチブ以外のお医者さんが選んだ治療方法)では6.3ヵ月(p=0.33)。
さらに超高リスクの患者に絞っても、全生存期間に有意差なし。
良いとこなし!
株主、すまん。
[ad#co-9]今後の展開は?
そもそもの今回のリゴセルチブの注射剤です。
成功していれば上市していれば、いくら儲かっていたのか。
国内の再発・難治性高リスクMDS患者数は900人で各種レポートでも市場規模は40億~50億くらいとニッチ市場。
会社も昔はこんな資料を出していました。
出典:シンバイオの結構昔の決算説明資料
注射剤は極々一部。
一方、現在の主要パイプラインである白血病治療薬のトレアキシンの場合、来年のDLBCLへの適応拡大を前提とすると、患者数は36,000人います。
トレアキシンの市場規模
出典:シンバイオ決算説明資料
ということで、ぶっちゃけリゴセルチブ注射剤の「売上だけ」に限って言えば、大してダメージもないというところ。
今後は市場規模が3倍くらいある未治療の高リスクMDS患者さんを対象とした、リゴセルチブ経口剤の国際フェイズ2/3試験が予定されています。
とはいえ注射剤の結果が出るまで待つとしていたこの試験についてもポシャる香りがぷんぷん。
注射剤治験の失敗を受けて社長がコメントで「リゴセルチブは、血液疾患以外の多くのがん領域にも適用できる可能性があり~うんぬんかんぬん」と、経口剤についても完全スルーしているからです。
社長は賠償金のときも「アウェーだけど善戦した」からの敗訴。
リゴも「結果が予定よりも遅れるのはむしろ良い兆候」からの失敗。
ぼくは常日頃からどんな仕事を頼まれても区別なく「いやあ、難しい問題ですね……」などと極端に悲観的なアピールをして、失敗したときのダメージを和らげる技術を身につけています。
こうしておけば誰もぼくに期待しなくなるので、結果、たいした成果を出さなくても褒められます。
ぼくと正反対の前向き社長が血液疾患以外の~発言は行間を読んだほうがいいのかなあと。
リゴに関してはひとまずなくなったものと考えつつ、ライセンサーのオンコノバが「リゴがコロナの複製を阻害する可能性があるから、お金をくれたら試験してもいいよ申請」をアメリカ政府に出しているので、まあホルダーとしてはワンチャンコロナ思惑入りするかも程度に留めておけば良いのではないでしょうか。
なお、リゴほぼ一本足のオンコノバの株価は大暴落。
オンコノバとしては痛すぎる一撃なので、なんらかの株価対策をしてきそうな気もしますが。
リゴ失敗後、寄り凸!
これを受けて、シンバイオの株価は前日終値より12%下がって400円でスタート。
ぼくはちょっと横に置いておいたお金を翌日寄りでぶっ込みました。
なんでやらかし放題のシンバイオを買ったかというと、もともとぼくのシンバイオへの興味は「来期の黒字化ができるかどうか」という点にしかないからです。
来期の黒字化に影響してくる材料以外はすべてスルー。
そういう意味では、賠償金のゼロ回答も、リゴの失敗は影響がありません(リゴ失敗は開発費が減るのでむしろプラス。もちろん、長期的な企業価値的には毀損しています。市場判断としては翌日寄りの時点で時価総額20億くらいの毀損と捉えられました。それが正しいのかどうかは、上記の市場規模をなどを見つつ判断、ということになるかと)。
というわけで個人的には来期の黒字化ネタ以外は興味なし。
2021年にトレアキシンの売上のみによって1円でも黒字化できれば、それは自販体制が確立できたということであり、品質問題に苦しむ凍結乾燥品から液剤への切り替えが進んだということです。
上記2つがクリアされれば、数十億の開発費を吸収しての長期での黒字化はかたくて、あとは来年承認ゲット予定のDLBCLの適用拡大分(既承認のトレアキシン対象市場と同じくらいの規模)がぐんぐん積み上がるのみ。
こんな状況になれば、さすがに今の100億真ん中くらいの時価総額は死ぬほど安いだろう(と投資家から思われる)という判断です。
リゴ、さらば。
[ad#co-9]今後の考えられる材料!
まずは上方修正(賠償金はゼロなので実質は下方修正ともいえますが)があると思います。
賠償金はゼロ回答でしたが、仲裁費用の半分が返ってくることや、販管費の低減を進めていることから金額の大小はさておき、近々修正をかけてくるはず。
問題は、その時に残りの300万株増資を始めてくるか、消却してくるか。
賠償金もゼロ、リゴも失敗で、株価も低迷している中、株主への慈悲の心があれば、せめて自社でコントロールできる増資は止めてきそうな気もしますが、基本的にバイオベンチャーからはぼくたちはお財布だと思われてる節があるのであまり期待しないほうが良いでしょう。
むしろリゴ失敗によって、「新規導入品探索の必要性も高まったんだから、そりゃ増資も急ぐのが的確な経営判断でしょ!」とド正論をかましてくるパターンのほうも十分考えられます。
次にトレアキシンのRTD製剤の承認!
今期の4Qに正式承認が来ると思います。
凍結乾燥品が不良品問題で苦しんでいる中、シンバイオが速やかに切り替えていくとしている液剤RTD製剤の承認は黒字化達成のために必須。
なんども言うようにぼくは2021年の黒字化にしか興味がないのです。
逆に言えば黒字化に一番関係してくると思っているRTD製剤の承認にはとても興味があります。
承認確度は高いとはいえ早く来てくれたら安心します。
正式承認前に部会審議などに上がってくるはず。
短期的な株価は自信なし!
増資が発表されるなど、株価がズドンと下がる局面が来れば先回りギャンブルのうまみも増すと思いますが、ぼくは投資がうまくないのでなかなかタイミングが読み切れません。
だからこその何も考えずにリゴ失敗で寄り凸ですよ。
これこれこれ!!!!!!
そしてご覧の通り、株価水準は総理辞任の影響もあり、早速もっと安く買える状況です。
でも大丈夫……。
ぼくは2021年の黒字化にしか興味がないのだから(震え声)。
[ad#co-9]まとめ
・リゴセルチブは注射剤はもともと市場規模は極小
・もっともリゴ経口剤も望み薄? でもユキユキさんはそこにも興味がない
・ユキユキさんはシンバイオは21年黒字化できる! 黒字化を1円でもできれば今の株価は安い!
と考えて投資したという話でした。
答え合わせは来期1Qにザックリとできるでしょう。
それまでシンバイオの株価はあんまり気にしないでおきます。
泣きたくなるからね。
総理、ほんとうにお疲れさまでした。
*特定の銘柄の売りも買いも推奨するものではありません。記載内容は100%事実とも限りません。投資は自己責任・自己判断でお願いします。
yukiyukiさん、私もシンバイオの来期黒字化の一点に注目しています。
RTD製剤とDLBCLの承認・上市となれば、たぶん黒字化できると期待しているんですが、最近のシンバイオは踏んだり蹴ったりなんで、どーも安心できましぇん。
私もリゴ失敗の翌日、@390円で買い指値していたんですが、ぎりぎり買えませんでした。
第51回増資ですが、仲裁の弁護士費用等(1//2)の金額確定とセットで行使決定するんじゃないかと考えています。
まあ、まるまる3百万株か、多少は減らして2百万株ぐらいにするかはわかりませんが、株主に優しくない吉田社長なので目いっぱい3百万株かなぁ?