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黒字化必達の年となる2021年を目前にして、シンバイオはますます調子が悪い。
イオンシスの仲裁でシンバイオの訴えは認められず、トレアキシンの凍結乾燥品の品質問題も解消せず。
ここまで来たら品質問題はどうしようもない感じ。
アステラスにとっても、どうせ来年から液剤に切り替えられるわけだし、今さら大きな投資をして凍結乾燥品の改良に取り組んだところで恩恵はなさそう。
それは良いかどうかは置いといて。
いずれにしても、シンバイオには猛烈な逆風が吹いているわけですが、それでもぼくは未だにシンバイオは2021年に黒字化する可能性は高い!
と思っているのです。
今日はその理由を説明しよう。
2021年以降のシンバイオの収益モデルを整理!
シンバイオは来年以降、これまでエーザイを経由していたトレアキシンの販売について、自販モデルに切り換えます。
つまり、こんな感じで収益を上げていくものと思われます。
出典:単なるぼくの類推です。また実際にはシンバイオと病院の間には卸会社が入ります。
目下、品質問題でもめている凍結乾燥品については、今期承認予定のRTD製剤(液剤)に来期第1四半期から切り替えていく予定。
来期末には90%を切り換える計画としています。
平均すると、来期の売上の60%はRTD製剤の販売で稼いでいくとのこと。
RTD製剤は仕入先がアメリカのイーグルファーマになりますので、凍結乾燥品の仕入先であるアステラスとの品質問題は、液剤への切り替えさえうまくいえば、まあゴニョゴニョしたまま収束します。
病院にとっては凍結乾燥品は手作業で水に溶かすという超絶面倒くさい作業が必要だったのが、液剤なら生理食塩水で希釈するだけなので、アメリカでは1年後には90%が置き換わったそうな。
出典:シンバイオ2020年中間決算説明会資料
ただこれはうさんくさいと思っていました。
アメリカのケースはジェネリック品がない状態での置き換え。
そりゃ超絶面倒くさい作業がレス化するのでみんな置き換えるよね。
でも凍結乾燥品のジェネリックが出てきて、それが超絶面倒くさい作業を補うくらいめちゃくちゃ安かったら、そっちに流れることはないの?という気が。
これがずーっと気になってたわけですが、シェアリサーチさんのレポートを隅から隅まで読んでいると、「日本でのジェネリック品の申請が可能になるのは最短でも2020年後半からで、市販品が出てくるとしても2022年前後だろう」とのこと。
あ、そうなの?
それなら安心。
だってスーパー近視眼的なきみたちバイオ投資家にとっては2022年なんて遥か遠い来世レベルの話じゃん。
2021年に黒字化できればオールオッケー。
去年のDWTIさんにもお世話になったんだもん。
マイナスうん10億からの黒転なんてDWTIさんの比じゃなくみんな飛びつくでしょ。
なんちゃって。
でも販売戦略的に考えても、いったん凍結乾燥品がジェネリックに浸食された後に再度RTDでシェアを奪っていくよりも、RTDに切り替えてもらった後に凍結乾燥品のジェネリックからシェアを守るほうが断然やりやすいでしょう。
液剤については2031年まで特許保護。
収益的にも液剤のほうが原価率が安く、アナリストレポートによると20%前半から30%くらいまで落ちると想定されています。
[ad#co-9]来期は売上90億円、10億円の営業黒字化計画!
黒字化の確度についてみる!
そんなこんなで、会社の2021年と2022年の計画は下記の通り。
出典:シンバイオ 2020年12 月期~2022 年12 月期(3 か年)中期経営計画
個人的に売上は信じていません。
まずシンバイオに限らずバイオベンチャーは売上を下方修正することなんてザラ。
むしろそっちが平常運転。
次に販管費ですが、フィスコレポートによると60億円程度で推移していくのではと試算されています。
自販体制の構築によって、研究開発費以外の販管費は減ることはありませんので、ぼくも55億~60億かなあと思っていました。
ただ販管費が60億とすると、売上90億で営業利益10億上げるなら、原価率は23%くらいにならないと辻褄があいません。
2021年はRTD製剤の浸透率が年間平均60%程度とすると、ここまでの原価率の低減はさすがに無理がありそう。
もちろんフィスコの販管費の見積りが間違っていて、会社としては原価率30%の販管費53億くらいで考えている可能性もあります。
しかしながら個人的にはそんなのどうでもいいのです。
1円でも黒字化できればシンバイオの勝ちなのさ。
2022年以降は、少なくともRTD製剤への移行はますます進んで利益率は改善するでしょうし、2021年中にはトレアキシンのDLBCLへの適応拡大が図られることで市場規模は2倍に拡大します。
そこまでいけば、もしも薬価を5%くらい下げられたところでって話です。
2021年は1円でも黒字化できれば、2022年への業績拡大の期待と確度は一気に高まるはず。
株価もさすがに上がるはず!
20億以上の研究開発費を吸収してのガチ黒字はバイオさんにとって快挙なのだ。
ってことで、その観点から再度計算。
今年はアステラスの不良品問題や、コロナの影響、販売委託先であるエーザイのやる気のなさ懸念などもありましたが、結局エーザイのトレアキシン販売による売上(4~6月)は19億円でした。
前年同期が20億円なのでほぼ変わらず。
とんでも逆風の中でも末端の売上は変わっていないため、やっぱりトレアキシンは現時点でお昼寝してても売れるポジションをガッツリ確保しているように思われます。
じゃあ仮に来期のシンバイオの売上が全く伸びず、DLBCLの上乗せ分だけがちょびっと加わった程度の80億くらいで着地したとします。
で、原価率も保守的に30%くらいとします。
すると「80億円×0.7-55億~60億円=4億の赤字~1億の黒字」になる計算。
出典:原価率30%、販管費60億としたときの損益分岐点売上高。売上85億ほどで黒転。
もちろん↑は売上が伸びず、原価率の低減も限定的なことが前提です。
仮に仮に仮に売上と原価率が上記の通りとなったとしても、数億円くらいの赤字ならシンバイオは研究開発費を落として黒字化に持っていくと思います。
さらに保守的に見ましょう。
RDI製剤の承認が遅れ、2021年はほぼ凍結乾燥品のみの販売だったとします。
すると売上80億、原価率36%で粗利は51.2億。
つまり51.2億よりも販管費が大きければ赤字、小さければ黒字となります
うーむ。
ワンチャンこれでも無理くり黒字化できそうなんだよな。
今期上半期の販管費はコロナの影響もありコスト抑制に取り組み、21億(内、研究開発費を除くと13.5億)と計画よりも大幅減。
仲裁費用の50%バック分とともに、経費面でも今期予想の修正をほのめかしてきましたので、この効率化を来年も続けてもらって、販管費が通期50億程度で収まるなら、これでも黒字化。
凍結乾燥剤がリコールされるとか、そんな出来事がない限り大丈夫だと思うけどね。
そこはシンバイオも分かってるので、目視検査全数2回転というとんでもないことをやっています。
特に2011年上場のシンバイオは、来年黒字化しないとジャスダックの上場廃止基準である10年連続赤字に抵触しちゃいます。
基準の見直しがされ、実際はメディシノバみたいに個別の審査に通れば上場は維持されますが、プライドの高いお給料がっぽり集団のシンバイオ様はそんな面倒くさいことしたくないでしょ。
ってことで、たぶん大丈夫でしょ!!
*そんな甘いもんじゃねーよというご意見があれば甘んじて受けます。
シンバイオは2021年黒字化の重要成功要因として、DLBCLの承認や売上100億円などを上げていますが、ぼくはそれよりも何よりもRTD製剤の一刻も早い承認に注目しています(9月とか10月くらい?)。
[ad#co-9]短期には波乱もありそう
ここ1ヶ月2ヶ月以内にも上にも下にも行くイベントが豊富。
- まずは仲裁費用の50%バック分の確定と、経費削減による上方修正?
これと同時に増資の51回目の開始もしくは消却が来るのではないかという気がします。
個人的には10%ほどだし、このあとイベントも続くしってことで、まあやったらやったかなあと思います。
- リゴセルチブのトップライン発表
これも喫緊に出そうです。
社長は当初予定から遅れたのは生存期間が延びたってことなんで良い傾向と言っていますが、博打は博打。
ぼくは失敗も十分覚悟しています。
- RTD製剤の承認
これが一番早く来てほしい。
コロナの影響もあるので10月本命かと思っています。
まとめ
・営業利益10億という目標を取っ払って、「黒字化」だけに絞れば高い確率でできる!!……と思う。
・2021年に黒字化を達成すれば、2022年はDLCBLが期初からフルで販売できるので大幅増益の確度も高い!!……と思う。
3Dマトリックスの黒字計画に数多く騙されてきた「トップ騙され士」であるぼくも、今持っているシンバイオ株はストーリーが崩れない限りは2021年までガチホする所存です。
黒字化を見届けて、株価も爆上げし、そしてドヤろうと思っています。
ぼくのドヤのためにシンバイオにはがんばってほしいもんだ。
*特定の銘柄の売りも買いも推奨するものではありません。記載内容は100%事実とも限りません。投資は自己責任・自己判断でお願いします。
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